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届かないまま ページ27

「それが……俺が、小学3年生くらいの時かな。ゆうととゆうりも同い年」


薄暗い部屋は夜になると寒くて、変な音がして、怖くて。
いつも3人でぎゅっと寄って眠って、朝起きて、いつ連れていかれるか怖がりながら、震えながら、1日を過ごして、また眠った。


食事にはなかなかありつけなかったし、近くで病気の子が倒れても、どうすることもできなかった。みんなうつらないように離れるだけ。俺たちもそう。


子どもだけじゃ、どうすることもできなかった。





俺たちより歳が上の子たちもたくさんきた。その子たちが外の話をしてくれるから、話すことはちゃんとできたし、同時に、3人とも、外の世界に想像を膨らませていた。


少しませて、おれ、と言うようになった俺とゆうと。まだ、ぼく、のままだったゆうり。
3人一緒なら、このままここで過ごしていてもいいのかもしれない、と思うくらい、お互いの存在が深いものになっていった。


離れるって選択肢がなかった。
大切な友達で、家族で、それ以上の関係だった。


それが壊れたのが、あの男がやってきて、俺と、ゆうとと、ゆうり、3人の手が引かれた時。


出会ってから、どれくらい時間が経っていたのか、その時はわからなかったけど、今考えてみると、たぶんはじめて薄暗い部屋にぶち込まれてから、2年くらい。
初めて、俺たちは、売りに出された。


3人別々の檻に入れられて、一緒にステージに出されて。
汚い欲が見え隠れする大人たちと、自分たちが聞いたことのない数字まで膨れ上がっていく自分たちの値段。


涙を流しながら、檻の外に手を伸ばした。
その手は、ずっと、届かないまま。

逃げ込んだ家→←薄暗い倉庫



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JUMP の虜♪ - すごく面白いです(*≧∀≦*)更新頑張ってください!! (2019年1月6日 23時) (レス) id: 5a3b5569f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:酢雨 | 作者ホームページ:___  
作成日時:2019年1月6日 23時

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