嫌なご主人様 ページ15
事前から手を回して、やっと侵入することができる。顔がいいのが3人もいたら、それはあまり難しくはない事で。
「……使用人もみんな帰ったって?」
「ああ、岡本圭人と、飼い猫と、住み込み1人以外はみんなね」
じゃあいくか、と足音を忍ばせて中を探っていく。
にしても、不気味な屋敷。人がいないわりに、あかりは灯っている。
「……ここだ、猫のいる部屋」
猫。岡本圭人に飼われている男。
ただ甘やかされているのか、愛されているのか、それとも。
「……開けるぞ」
雄也がゆっくりと扉を開けていく。
あれ、鍵は、
「……は…………?」
目を見開いて、声を出したのは、俺と雄也の2人。目当てのブルーダイヤモンドは、すぐ目の前。それよりも、それをつけている『飼い猫』が問題だった。
「んぅ……だれ、こんなよなかに……」
人の気配に敏感なのか、本当の猫のように手で目をこすりながら目覚めて、その目を向ける。
こちらは顔を隠しているから、向こうから顔を認識されることはない。
だけど、あの、手に入れたいと強い衝動を抱いた、済んだまん丸の目で見られたら、何もかもを見透かされてしまう気がした。
「いのお、さん、」
とその時、伊野尾さんが、枕元に手をやって、なにかを押す。
「……けいさつ、」
「はは、まさか……猫のくせして知能つけてんだ、」
嫌なご主人様だな、伊野尾さんの飼い主は。
「……失敗だよ、俺たちの負けだ。どこで俺たちが今日入る情報を手に入れて、対策してた?予告もしてなかったのに。
はじめから違和感は感じてた、まるで誘導するみたいにあかりつけて。どの部屋も、鍵がなかった。だけどこの部屋だけついてたにもかかわらず、かかってなかった。
全部、俺らを誘導するためだろ」
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JUMP の虜♪ - すごく面白いです(*≧∀≦*)更新頑張ってください!! (2019年1月6日 23時) (レス) id: 5a3b5569f1 (このIDを非表示/違反報告)
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