鉄のハンスの呪いをとけば【Ym*In】 (ページ12)

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ねだるような瞳ページ12

昨日も散々抱いたのに、同じくらいひどく抱いて、気絶させた。
とろとろの顔に、ぎゅっと握られて離されなかった手。ねだるような瞳。
アンタも、俺にはまったでしょ。

1回だけ、なんてそんなクソみたいな自己ルール捨ててさ、俺と遊んでみてもいいじゃん。

鍵はポストに返しておいて、
ここの最寄りは……

メモに書いてテーブルに置く。そうすればきっと気づくし、だいいち、そんな離れたところには行かないから、出て行くときもわかるだろう。

テキトーな服を着て、八乙女の家に行くと、げっそりとした八乙女が地下から顔を出した。

「お前な……」

「なに？」

「もうちょっと静かにしろや……苦情くるの俺なんだよ！住民の皆さんは優しいからあんまり言わないけど、昨日のはひどかったぞ！寝られなかった！」

「変なとこでませてんな、キモい」

「えっ、それちょっと傷つく……ってそうじゃくて！雄也からいかに綺麗で山田がハマってるか昨日さんざん聞かされたけどさあ……もうちょっとさあ……」

「ごめんごめん、これからはホテル行くから」

ああ、それと、今さっきのでまた気づいたことがある。あの人はたぶん、俺の声が好きだ。

と、上の階から、がちゃんと扉が閉まる音がした。たぶん、伊野尾さん。

「え、おま、ひとりにしてきたの……？それって危なくない……？」

「大丈夫でしょ、鍵だって、今は置いてきたやつひとつかければいいように見えてるけど、実際はオートロックだし、もっと厳重だし。それに、持ってかれちゃ困るもの、証拠になるものは全部ここに置いてあるだろ？」

俺の家は、今までの女にも知らせてきたし、上げていた。
でも、たくさん食い荒らしたどの女よりも、伊野尾さんは極上で。

「……ほどほどにしとけよ、」