指導係 ページ1
side:R.Y
『今日未明、××財閥の持ち物であるダイヤモンドが盗まれていることが発見されました。会長である△△は、事前にとあるグループから予告状がきていたことを明かし、多発している盗難事件と同一犯である可能性が示唆されています』
オイオイ、もっとさ、かっこいいニュースにしてくれよ。こんなんじゃ俺たちがダサい強盗グループと一緒みたいだろ。
俺たちには、ちゃんと名前があるんだから。
「あ、山田くん、今日くる新人さんなんだけど」
「はい、俺が指導係なんですよね?」
「なんだけどね。君より歳上なの。ちょっとやりにくいかしら、と思って……」
会社の大きなテレビでかかっているニュースを尻目に、大丈夫ですよ、と笑顔を作る。
少し前髪が長くて、メガネをかけていて。でもよく笑顔も浮かべるし、人当たりもいい。
目立たないけど、人との付き合いはしっかりうまくいって、上司からの信頼も厚い。そんなヤツが、俺。
「でも……難しくなったら、ちょっとだけ声かけてみようかな」
親しい上司には、ほんのちょっぴりのタメ口。それだけで、人は、驚くくらい自分の内側に他人を受け入れる。
俺だったらそんな不用心なこと、しないけど。
「じゃあ、あとで部長のデスクに行ってちょうだい。説明を受けて、明日の朝、対面になると思うから」
歳上。ならきっとそんなに関わってこないし、教育係も無事終えて、また俺は机に向かう日々を過ごすことになるんだろう。
いいさそれでも、俺には、他人は絶対に感じることのない刺激が待っているんだから。
世間を騒がせている盗人。嫌な噂ばかり聞く財団や財閥から、そこにあるもののなかで1番高級なものを、証拠も残さず奪っていく。
そんな集団、そのうちの1人が俺だなんて、まじめに社会人をしている俺を見て、いったい何人が気づくのだろう。
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JUMP の虜♪ - すごく面白いです(*≧∀≦*)更新頑張ってください!! (2019年1月6日 23時) (レス) id: 5a3b5569f1 (このIDを非表示/違反報告)
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