【そらる】義理兄妹恋率方程式 (ページ25)

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お兄ちゃん２４ページ25

そらるside

俺を突き飛ばした時のAの顔が頭から離れない

目に涙を溜めて

困惑と不安で歪んだ顔だった

『ほんと、馬鹿だな俺』

後悔してももう遅いけれど罪悪感が押し寄せる

Aと最初に出会ったのは俺が中学生のときだった

まだ4歳のAの母親は病気だった

俺の母さんの友人だったのでうちの家で引き取ることになった

俺には元々弟と妹がいたし戸惑いもあったが

お兄ちゃんらしく頑張らなきゃという責任感の方が強かった

「…こんにちは…」

緊張しているのか聞こえるか聞こえないかの小さな声

不安そうな瞳で俺を見つめてきた

『心配しなくていいよ、お兄ちゃんが守ってあげる』

「ほんと？」

『うん、約束』

差し出した指に絡んできたAの小さな小指

初めて彼女の笑顔を見た時から

俺は…

一回り以上歳下の女の子が好きなんてロリコンにも程があるが

今までずっとAのお兄ちゃんでいたのに

大事な大事な妹の心を自分で傷付けたんだ

信頼していた兄が突然兄じゃなくなったら恐いに決まっている

嫌われたかな

何やってんだろ俺

少しだけ泣いた