女子禁制わーるど1 (ページ43)

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(6)永瀬side ページ43

歯磨きをしようと思って洗面所に入ると、同時に(名前)がお風呂場から出てきた…

はずだった。

出てきたのは、顔は(名前)なのに髪が長くて女子の身体の人。

「え、え、(名前)…？」

キョドりながらもとりあえず名前を呼んでみる。

すると、

『きゃぁぁぁぁぁぁ！！』

と、その人は叫んだ。

俺はいろいろびっくりして、慌ててベッドまで戻る。

…なんや？

あれはだれや。

いや、ふつーに考えて(名前)やろ。

いやいや、(名前)は男で…

『…俺がもし女やって言ったらどーする？』

いつの日か言われたことを思い出す。

…まさか。

笑えない。

本気で笑えない。

そんなことをもんもんと考えていると、ガチャっと洗面所のドアが開く。

(名前)は下を向きながら俺の前まで来ると、正座をした。

俺も合わせて正座をする。

そして、

『俺、荒野(名前)は、「女」です』

と、言った。

混乱しながらも(名前)の説明を聞く。

頭の整理がやっと追いつき、

「そっか…

ほんならバレたらあかんな、これ以上。

これからどーやったらバレへんかな…」

と、返事をすると、(名前)…やなくてAはびっくりしたように顔をあげた。

『誰にも言わないの…？』

「え？やって言ったら(名前)がジャニーズにおられんくなるやんか」

普通にそう答えると、Aが抱きついてきてそのままベッドにダイブしてしまう。

『ありがとー！

私、がんばるから！

一緒にがんばらせて！』

とても嬉しそうに言うAに、「ほんまに不安やったんやなぁ…」なんて思って、思わずよしよしと頭を撫でる。

しばらく撫でていて、ふと思い出したのが勝利くんのこと。