女子禁制わーるど1 (ページ40)

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だがしかし。

それから勝利は事あるごとに「(名前)、(名前)」と呼び、場を騒然とさせた。

「どういう関係なのか」と聞かれるたびに、勝利は「秘密ー」となぜか意味深に答えるので、恋愛関係にあるのではと噂され、その度に私が否定し…

を繰り返した。

…うん。

勝利なりに、幼なじみっていうのを隠したほうが私のことがバレないって考えてくれているのだとは思う。

けども。

それなら私を呼ばないのが一番手っ取り早いんですけど！

逆にめっちゃ注目浴びちゃってるんですけど！

…ほら案の定、稽古が終わったあと、

「…(名前)くん？」

『………はい』

「勝利とどういう関係なの？」

出たよ。

やばいよ。

健人くんだよ…

『いやぁ、何の関係もないです…』

「ふぅん…

ていうか君、どっかで会ったことない？」

突然の爆弾投下。

『な、ないですないです！ほんまに！！』

必死に否定する。

ほんとに鋭い。

「そっかー…

…てか君かわいいね。勝利が構いたくなる気持ちもわかるよ。

俺も一緒にいたくなる…」

『は、はぁ…』

…出たラブホリ。

健人くんは、一応面識があって。

前に勝利の家に行ったときに、

「Aちゃん？どーもー中島健人です☆」

と、凄まじくキラキラアイドルスマイルで言われた。

しかもまだデビューしたての頃だったと思う。

それから会うたびになぜか、

「ほんとにかわいいね…

連れて帰りたくなる」

とか、

「ねぇ、勝利の幼なじみなんかやめて俺の幼なじみにならない？」

とか、なぜか口説かれてるのかからかわれてるのか。

まさか男の時にもこう来るとは思わなかった。

『俺、男っすよ』

そう言うと、

「いや、君はたしかに男らしいけど、若干女らしさがある。

そこがいいね」

…誰ですか？

なんなんですか？

とっても怖いんですけど。

てかなんでこんなときに限って勝利いないの！？

その時、

「(名前)ー？帰るでー」

『廉！帰る！！』

助かった。

神かと思った。

『じゃ健人くん！また明日よろしくお願いします！では！』

ペコッとお辞儀をして廉の元へ走る。

「健人くんどーしたん？」

『んや、なんもないで』

廉は自分から聞いてきておいて「ふーん」とあまり興味なさげに言った。