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……ん?


ふと紫耀の言葉を思い出してみる。



「海人と俺、廉と(名前)が同じ部屋らしいから」


「廉と(名前)が同じ部屋らしいから」








………え。







『……えええええ!』




「今度はなんやねん」



若干呆れながら聞いてくる廉の顔を直視できない。





廉と同じ部屋!?


1ヶ月近く!?






…でもここでまたふと考える。



…なんでそんなに慌ててんの。


廉じゃん。


がきんちょ星人の廉じゃんか。







『…なんもない』


「そーか。びっくりしたわ笑」


『ごめん』







……なんもない。


うん。


なんもない。



なんも…





なくない!




私女じゃん!


バレるじゃん!








「…(名前)っておもしろいね!1人で急に百面相し出すんだね!」


「やろ〜?俺めっちゃ好きやねん!」


「お前らお互い変なやつやからな」




私がうんうんと本気で悩んでいる間に、3人がそんな会話をしているなんて気がつかなかった。









…ホテルに着き、部屋に入るやいなや、


「あー疲れたー」


廉がボスンッとベッドに身を投げた。


『せやね…』


私も同じく、別のベッドに寝っ転がる。


「ほんま紫耀のやつ…」


ぶつくさ廉が紫耀に文句を言うのにはわけがある。










…みんなでホテルに向かっている途中、

「あれっ、どっちやったっけ?」

と、私たちの少し前を歩いていて道案内をしていた紫耀が急に立ち止まった。

そして振り返り、


「迷ってもーた☆」


と、「てへっ」と今にも言いそうな顔で言ってきた。



『いやいや、紫耀地図見てんちゃうん?』


紫耀はアプリの地図を見ていたはず…


しかし紫耀の方を見てみると、何も持っていない。



「へ?…あー、もう覚えたから消してもーた!」


「えー、紫耀すごーい!」


のんきに言う海人。



私と廉はもちろん、



「『………覚えてないやないけボケぇぇ!!』」



力の限り突っ込んだ。


というか最早怒った。












…ということで、紫耀しかホテルの名前を知っている人はいなかったのにその紫耀が忘れ、みんなで探し、さんざん歩き、ほんとは歩いて20分で着くところ、1時間もかかってしまった。



『あれはほんまどーしよーかと思ったわー』


そう返すが、何も応答がない。


『…廉?』


廉の方を見ると、廉はそのままの体制で寝ていた。



…疲れてるんだなー


私はベッドから降りて、廉が寝ているベッドのふちに肘をつく。

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作者名:みー | 作成日時:2015年3月4日 0時

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