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『…なぁ、廉。
もし、もしな、俺が実は女でしたーなんて言ったらどーする？』
思わず、聞いてみてしまった。
「は？どーしたん急に」
『いや、なんとなく。例えばの話！』
怪訝な顔をされ、慌ててふざけたようなノリをつくる。
「せやなぁ……
笑う。」
『…そーでっか』
…まぁ、そーですよね。
「なぁ(名前)さん、俺には聞いてくれへんの？」
『大吾はなんか「えー、付き合うー♡」とか言いそうやからええわ』
「え、すご！なんでわかったん？」
「『わかるやろ』」
「自分らそーゆーとこ気が合わんでええで？」
そう言うと、大吾はやっと運ばれてきたオムライスを口にする。
「気ぃ合うとかそんな問題ちゃうやろ」
『大吾見てればわかるって』
私たちも運ばれてきたグラタンをパクリ。
「えー、俺愛されてんなー♡」
「『はいはい』」
…安定の大吾との帰り道、大吾がふと言った。
「なあ、次の日曜さ、遊ばん？」
『え？えーけど…』
Jr.になってもう一ヶ月と思ってたけど、まだ一ヶ月。
『Jr.の友達と遊ぶの初めてやわ』
「…そーか」
と言う大吾の顔はなんだかうれしそうで、次の日曜が楽しみになった。
『ただいまぁー』
「おかえりーA」
家に帰ってそう言われると、一気にスイッチが切れ、カツラを取る。
手を洗って髪の毛を梳かし、リビングに入ると、ソファに座ってツムツムをしているお母さんに近づく。
『お母さん、次の日曜出かけてくるね』
「ふーん、誰と？」
『大吾』
「へー…
え？西畑くん？」
お母さんは驚いたように画面から顔をあげる。
『え、うん』
逆にびっくりして答えると、
「あんたもジャニーズに慣れたのねぇ…
あんなに騒いでたのに」
…お母さんに言われて気づいた。
そーだ。
私、あの人たちのファンだったんだ。
慣れというのは怖い。
…けど。
自分の部屋に帰って雑誌を開くと、出てきたのは、
『…「廉くん」ほんとかっこいいな』
慣れても男スイッチが切れたときは、やっぱりそう思う。
それに、冷静に考えると「西畑くん」と出かけるんだ、なんて思ったり。
たまにごちゃごちゃになる。
学校行って、「女子」な自分、と
Jr.としている「男」な自分。
『…ま、なるようになるか』
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作者名：みー | 作成日時：2015年3月4日 0時
