16話 過去編 ページ17
「あ、あの……三好さん?」
私は恐る恐る目の前でしゃがみこんでいる三好さんに聞いた。こんな彼を見たのは初めてだ。
私の知っている三好さんは、いつも自信たっぷりで、常に余裕気な表情を浮かべているような人だ。
ま、まあ私にはそんなところもまた「愛おしい」と感じてしられてしまうのだが……。
私がオロオロしていると、三好さんは長く息を吐いた。
「Aさん……」
「は、はい。」
「恥ずかしさでどうにかなりそうです……。まったく、僕らしくもない……。」
私はまだしゃがみこんでいる紅い顔の三好さんに膝をついて近づいた。そしてそのまま、彼と目線を合わせる。
「わ、私だって……すっごく恥ずかしかったんですよ……。」
ここまで言うのが限界で、思わず私は目をそらす。
すると三好さんは、クスッと笑いながら体制を変えてそっと私を抱きしめた。
私の顔が紅くなる。それを見て更にもう1度クスッと笑う三好さん。
「も、もう!笑うなんてひどいです!」
と抱きしめられたまま言うと、
「だって……可愛すぎますよ。」
と耳元で声が聞こえた。
「か、可愛いって……!」
最高潮に顔を紅くしている私から腕を離し、三好さんは立ち上がった。そして私の方へ手を伸ばす。
「ほら、立ってください。」
私はその手を取り、立ち上がった。すると顎に手を添えられ、チュッと頬に軽くキスをされた。
突然のことすぎて頭がついていかず、ただ真っ赤になって悶絶している私と、それをいつもの表情で見ている三好さん。
これは……私の心臓がもちそうにない。
バクバクとうるさい心臓の音を聞きながら、私はそんなことを思っていた。
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葉乃(プロフ) - 野崎さん» 質問いただきありがとうございました!この作品を振り返るいい機会とさせていただくことができました。次作、ネタが思いついたら書かせていただきたいと思いますのでその時は宜しくお願い致します。 (2016年10月28日 19時) (レス) id: fbe039a0ee (このIDを非表示/違反報告)
野崎 - 葉乃さん» そうでしたか…それでこそD機関って感じで痺れます。ありがとうございました!次作もあれば楽しみにしてます!! (2016年10月28日 2時) (レス) id: a382114b2a (このIDを非表示/違反報告)
葉乃(プロフ) - 野崎さん» 続きです)スパイとして活動をする上で、手持ちの駒は少しでも多い方がいい。というスパイの冷酷さと、スパイとはそういうものとは知りながらも信じてしまった夢主さまの人間らしい、そんな様子を描いた場面になります。 (2016年10月27日 20時) (レス) id: fbe039a0ee (このIDを非表示/違反報告)
葉乃(プロフ) - 野崎さん» 冷たい言い方をした理由、ということでよろしいでしょうか?単純に、自分に好意を寄せている人ほど利用しやすい、という理由です。甘利は優しい一面があるが故に内に冷たい感情を秘めているのでは、という私の想像を全面的に出したシーンです。 (2016年10月27日 20時) (レス) id: fbe039a0ee (このIDを非表示/違反報告)
野崎 - 連載お疲れ様です!質問なんですが…20話の甘利がああいう言い方をしたのには他に理由があるんですか? (2016年10月27日 10時) (レス) id: a382114b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉乃 | 作成日時:2016年6月18日 13時