やっと見つけた

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「ど、どこまで行くの！？」



走り出してから何分経ったろうか。

私が質問すると、女の子は適当な路地に入ると息を吐いた。

それから先程の質問に答える。



「隠れれる所まで」



はぁはぁと息を整えながら、女の子は汗を拭う。

日陰とはいえ、夏の暑さも走しってきたのもあってか私達は汗まみれだった。

ヤクザ達は私達の行方が分からなかったのか、リーダーらしき人の怒号が響いている。

暫く無言だった。

が、私は混乱していたので頭の中に疑問符ばかり浮かんでいた。

それを見越した女の子が淡々と言う。



「あの人たちは私を追っています。…正確には、美少女。美少女を攫(さら)う組織で捕まえたあと売っちゃいます。人身売買ってのが丁度良いかな…まぁそんな感じです」



女の子が私の中にあった疑問を解いていく。

女の子と私の息は既に落ち着いていたが心臓はばくばくと音を立てて忙しなかった。

衝撃的な事を言われた気がする。

人身売買とか、なんとか。

漫画にありそうな事ばかりが耳から入ってきて、余計に混乱した。

女の子はその様子を見てふ、と笑う。



「貴女が混乱するのも無理はありませんね。要するに危ないのです。ですが、安心してください。強力な助っ人がもうすぐで来ますから」



ただ少し遅いですね、とぷくりと可愛らしく頰を膨らます様に、今危ない状況にも関わらず見惚れてしまった。

もし私が男の人なら、間違いなく彼女と恋人になる事を選択していたであろう可愛さ。

あまりにも可愛すぎてこの世の人かと疑ってしまうレベルである。

私は女の子の頰をつつきたくなる衝動に追われながら助っ人を待った。

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