４６*続編に入ったのに未だ四次試験も始まりません。 ページ1
なんとか無事ゲルタを救出し、残った受験生達が船内に集まっている中、クラピカはそわそわと辺りを見渡していた。
「今はただ、待つしかねぇか……」
「ああ……」
心ここにあらずというようなぼんやりした返事を聞いたハンゾーは、落ち着かない様子のクラピカに声をかける。
「どうしたんだ、クラピカ？まだ何か気になる事があるのか？」
声をかけられてはっと意識を取り戻した彼は、必死に平静を装うとしながらも、どこか余裕のない顔で答えた。
「いや、なんでもないんだ。気にしないでくれ」
そしてまた、彼の視線は船内を彷徨う。
(Aはどこへ……？)
その思考が、彼の脳内を埋め尽くしていた。
そんなクラピカの心配など露知らず。私はヒソカやイルミと雑談をしながら時間を潰していた。勿論外で。暴風のせいで少し髪が乱れてしまいそうだ。
しかし、しばらくして風が収まってからさらりと指を通せば、髪は元通りに私の背中へ垂れた。流石私の髪。それから二人に別れを告げ、クラピカ達の元へ向かう。
「……二四時間後、第二波がくる。しかも今度は……」
クラピカの声がした方へ顔を覗かせると、ちょうど彼が上を見上げたところだった。
「こ、こんな所までくるってのか」
レオリオがたじたじとしているのが少し面白くて、つい私も口を挟んでしまう。
「いや。……二十四時間後、この海域から全てが消える」
でしょう？クラピカ。そう言いながら私は彼らの前に姿を現した。
「うおっ、A！？」
「A、どこへ行っていたんだ！船内を見回してもいなかったから、心配したんだぞ！？」
レオリオが驚き、クラピカが駆け寄ってくる。
(ははーん、あれが落ち着かなかった原因か……)
後ろにいるハンゾーが何やら納得した風なのが少し気になるけど……まあいいか。
「心配症だなぁ……。大丈夫だよ、あの程度の風にやられるAさんじゃないから」
それより、今は解決すべき事があるでしょ、と私は彼の追求から逃れるように海の彼方へ視線を投げた。
……さて、第二波が来るまであと二十時間もない。それまでになんとかしなければ、彼らはここで死ぬしかない。あ、私達は別にいくらでも生き延びる方法はあるんだけどね。
「何言ってんだA」
「いや、だってそうじゃん……」
せっかくのモノローグなのに、兄にツッコミを入れられた。悲しい。
「うるせぇ。っつーかお前どこ行ってたんだ？……あーいや、大体検討はつくけど」
流石、私のお兄ちゃんは勘がいい。
ラッキーハンタキャラ
ブハラ
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