24 ページ24
怒りに任せて、佐久間さんに叫んでしまった。
そのままの勢いで家から出てきてしまった。
『鍵もスマホも持ってないじゃん…』
バタンと勢いをつけて玄関の扉を閉めてから気がついた。
真後ろではｳｨｰﾝ、ｶﾞﾁｬﾝ！と電子音がして、オートロックが閉まる。
うわー、しかも振袖も置いてきたわ。
一瞬、インターフォンを押すことも考えたが、辞めた。
佐久間さんからしたら、私が自分から出て行ったことは嬉しいだろう。
もう一回家に上げろなんて言っても無視されるに決まってる。
以上虚しい思いはしたくない。
『はぁ…』
トボトボとエレベーターに乗り、ロビーを目指す。
まぁ、取り敢えず出て歩きながら考えよ…
ロビーに出て更に屋外に出ようとした瞬間、後ろから手を掴まれた。
振り向くと、なんと、そこには佐久間さん。
「ﾊｧｯ…ちょ、ちょっと待って…！」
走ってきたのか、息も絶え絶えな様子。
『なんですか…これ以上話すことはありませんよ…』
まだ言い足りない事でもあるんだろうか。
もう、勘弁してほしい。
手を振り切って歩き出そうとすると、また手を掴まれる。
「だ、だから…！待ってって…！」
『これ以上まだ酷いこと言うつもりですか…？』
代わりの着物は結構ですよ。
あれ、もう買える代物じゃないんで。
此方もツイ嫌味を言ってしまった。
ちょっと傷ついたように顔を顰める佐久間さん。
いやいや、傷ついたのはコッチなんだけどなぁ…。
「いや、ホラ…あのさ、…うーーーん」
『………』
「え？なんだろう…うんと…えっと…」
『………』
何かしら私にかける言葉を探しているらしい佐久間さん。
しばらく唸ったあと、パッと顔をあげた。
「あ！分かった！君、パジャマで外出るつもりなの？」
『へ…？』
ふと、下見ると、本当だパジャマだ…
更にロビーの鏡に映った自分を見てみると、ボサボサの髪に、裸足のままでパジャマ。
ふと入口にいるコンシェルジュと目があうと、フルフルと無言で首を振られた。
これで外に出るのはアウトだな…不審者だ…
『…わかりました、一回帰ります…』
諦めた私は何故か佐久間さんに手を引かれたまま、大人しくエレベーターに乗り込んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2733人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆい - SnowMan全然知らないで読んだんですけどめちゃ萌えました… (11月25日 14時) (
レス) @page28 id: 8d474f6144 (このIDを非表示/違反報告)
hann(プロフ) - りーぼーさん» お読み頂いてありがとうございます。ご心配おかけでしてごめんなさい💦わーーーー！ごめんなさい、dm解放してなかった…させて頂きました😆✨ (2021年11月4日 22時) (レス) id: c4f3d3f59e (このIDを非表示/違反報告)
りーぼー - hannさん、はじめまして！占ツク読ませて頂きました！大好きな推しのお話だったんですが最初は佐久間くんが意地悪だったのでどうなるか心配でした😭あ、実はTwitterのメッセージ送ったの私なんですがdm送る場所がなくてこちらに返信しました！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: 0035580915 (このIDを非表示/違反報告)
hann(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます！泣けたって言われるのめっちゃ、嬉しいです！自分の小説は泣けるか分からなくて…ほんと、たくさん褒めて頂いてありがとうございます…！励みになります… (2021年10月22日 22時) (レス) id: c4f3d3f59e (このIDを非表示/違反報告)
hann(プロフ) - はなみさん» コメントありがとうございます！佐久間さん、リアルでも納戸知らなそうだな…？と思いついたネタです笑 佐久間さん、どんどん絆されていきますよ〜！ (2021年10月22日 22時) (レス) @page44 id: c4f3d3f59e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：hann
| 作成日時：2021年10月12日 10時
