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ぶるーくと会話をしながら掘り進めていると、ガツンとシャベルの先端が何か硬いものに当たる。何かと思ってそこを見ていると、茶色の土の中から朝日に当たって銀に光っているものがあった。
「えー！宝箱じゃん！」
俺の隣でぶるーくは声を上げた。掘り出してみると、それは他国のお菓子が入っていたであろう大きめの四角い缶だった。俺たちでは読めない言語で文字が書かれている。外国語に詳しいぶるっくでもこれについては学んでいないそうだ。
「きりやん、開けてみてよ」
「ん?わかった。さあ...何が入ってるかな！」
俺たちが手を止めたのを不思議に思った四人がこちらにやってくる。缶の蓋をゆっくりと開けてみると、そこにはいろいろなものが入っていた。誰かが書いたゾムさんの似顔絵(目がハートになっている)。サファイアの可愛らしいネックレス。猫じゃらしに、発砲された後の縦断。
他にも黒のリストバンドやどこにでも転がっていそうな石ころまで入っている。とりあえず、中身を全部出してみると、缶のそこから一通の手紙が現れた。
「...手紙?」
「ちょっと読んでみてよ、スマイル！」
「えぇ...俺?」
スマイルは嫌そうな顔をしながらも、なかむの好奇の目に負けて封筒を渋々と開けた。
未来の我々へ
私たちがこれを埋めたのは×××年だが、未来の君たちがこれを開けた日はいつだろうか。
これは俺の考えだが、どうせお前たちはすっかり忘れてこれを開けることもなく死んでいるのではないか?まあ、死んでいないからこうしてこの手紙を読んでいると思うがね。
はいはい、どうも未来の俺！！
ゾムの似顔絵は傑作やろ〜?未来の俺には描けへんと思うで。
僕はユキちゃんから貰ったネックレスあげます。
野菜とか花は入れられないから、俺は気持ちだけ。
この箱のお菓子、めっちゃ美味しかっためう！
俺、入れられるもんとか持ってへんかったから、そこら辺の石。
俺はもう、なんか自分の顔入ってたからええわ。
ワイは猫のじゃらし。
んじゃ、俺はエミさんの髪の毛入れとこ。
私は新しく買った手帳を。
僕は敵が発砲したあとの弾入れたで。
個性豊かな品物がここに入れられている。楽しかった過去を沁々と思い出すといいだろう。
＿＿＿＿＿＿より
この缶はタイムカプセルというやつだった。手紙を読み終えた俺たちも、噴水作りは保留にして、タイムカプセルを埋めることにした。
未来の俺達へ。
終。
続きはご想像におまかせします。
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葡萄。 - みるひかさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると自信に繋がるので嬉しいです。これからも楽しんでいただけるよう、頑張ります!! (2021年4月5日 16時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
みるひか(プロフ) - 完結おめでとうございます！ストーリーの展開が面白く、情景の表現も綺麗で読みやすかったです。番外編・外伝の更新も是非頑張ってください！ (2021年4月4日 23時) (レス) id: e1eab5f988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2021年3月17日 19時
