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smile side
目を開けると、白い天井が見えた。物音一つしない静寂の空間には薬品の匂いが充満している。そうか、ここは医務室だ。起き上がろうと上半身に力を込めるが、起き上がることができない。体のあちこちに違和感を感じ、服の袖やズボンの裾をめくってみると、包帯が巻かれていた。白に赤が滲んでいる。
「......」
何が、あったんだ?
ギシギシと隣の方からベッドの軋む音が聞こえた。緑色のカーテンによってしきられているため、隣の様子はわからない。このカーテンを捲ろうにも何だか悪い気がしてきた。
なぜ自分がここにいるのか。よくわからない。前も似たようなことがあったような気がするのだが、妙に思い出せない。ズキズキと痛みを伴い始めた頭とモヤモヤとする心中がもどかしい。
「そういえば、なんでお前だけ無傷なんだよ。意味わかんない」
「俺だってわかんねぇよ！左腕は動くし、全然痛くないしでどうなってんだよぉ！」
「枕投げんな！俺ら以外、皆寝てんだからさぁ！！」
ぼうっと自分の手のひらを見つめていると、俺の向かいから騒がしい声が聞こえてきた。この声はシャークんときりやんで合っているだろうか。思いきってカーテンを勢いよく開ける。丁度、シャークんがきりやんの顔面に枕を押し付けているところだった。
「この音、誰か起きた?」
「おおお！！スマイルが起きた！！」
「や、止めろシャークん！俺だって怪我人だぞ?!」
顔以外の全身が包帯で巻かれ、ミイラの状態になっているきりやん(身動きはとれるらしい)。そして、腕に点滴を刺しているシャークん。二人は目が覚めた俺を見て、目を丸くさせていた。こちらに向かって投げられた枕を右手で弾いた。
そもそも医務室で暴れんなよ＿＿＿＿＿＿＿。
「もっと言ってやってよ〜シャークんってば昨日からずっとこうだし...」
「動き足りねぇんだよ。それに、お前らは寝すぎ」
「いや、シャークんが無傷なのがそもそもおかしいんだって！！」
「は?シャークんは無傷なの?」
段々、思い出してきた。俺は二度目の群青の爆発に巻き込まれたのだ。あんなにも激しいものだったというのに。しかも、至近距離で爆風を受けたはずのシャークんが無傷というのは、きりやんの言う通りおかしいな話だ。
けれど、シャークんは人体実験のほんの一部を受けている。そうとなれば、無傷となってもおかしくはない。じゃあ、なかむは?目が覚めていないということは重体なのだろう。
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葡萄。 - みるひかさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると自信に繋がるので嬉しいです。これからも楽しんでいただけるよう、頑張ります!! (2021年4月5日 16時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
みるひか(プロフ) - 完結おめでとうございます！ストーリーの展開が面白く、情景の表現も綺麗で読みやすかったです。番外編・外伝の更新も是非頑張ってください！ (2021年4月4日 23時) (レス) id: e1eab5f988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2021年3月17日 19時
