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彼女が口を開いたと同時に、放送機器からロボロさんの声が響いた。地下牢にて侵入者を発見。その言葉を聞いて明らかに動揺したのはぶるっくだった。
「ぶるっく...まさか、俺らに何も伝えずに...」
なかむが低い声で、ぶるっくに詰め寄る。ぶるっくは「本当は自分がシャークんを助けに行こうとした」「助けてから報告して皆の喜ぶ顔が見たかった」と弁解を図っていた。自分が行こうとしたのに今彼がここにいるということは...この場にいないきんときが行ったということか。
「とりあえず、速く指定された場所へ急ぎましょう！」
テラさんが、先程までの表情とは売って変わって満面の笑みで言った。
「猫被んなくていいから」
「...そーですか。なら、さっさと行きましょう」
なかむに一度、睨まれたテラさんは怯むことは無かった。なかむに言われた通り、作り笑いを剥がし、無表情な彼女に戻る。正直、人懐っこい笑顔だった彼女の本性がこんなものだとは思っても見なかった。誰かを騙せる演技力は本当に素晴らしいと思う。何なら俺が欲しいくらいだ。
俺が全てが偽り(・・)だと知られるのは時間の問題か。
「なあ、お前の話。聞かせてくれよ」
指定場所の地下牢がある第三隊舎へ走って向かう途中。俺は彼女に言った。すると彼女は、怪訝そうな顔をしたあと、諦めたのか長く息を吐く。再び彼女の目が俺の目と合う。テラさんの黄金の瞳は、少し白く濁っているように見えた。
「このリボンの紋章を見たのでしょう?なら、わかるよ」
「いや、わからないから聞いてるんだろ」
「......彼なら私のこと、気づいてくれたと思います。きんときさんに聞いてみてください」
「...気になってたんだけど、きんときはお前にとっての何なんだ?」
きんときに向けていた何かを訴えるような視線。あのときの彼女の目はとても哀しい目をしていたと同時に、まるで自分の子供を見守るような暖かな目をしていたのだ。だからこそ、知りたい。
「それに関しても彼に聞いてください。
私にとっての彼は最高の師匠で、最愛の仲間です」
「恋人だと思いました?」そうクスクスと笑ったテラさん。腹の奥で何かが沸々と沸いてくるような気がした。
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葡萄。 - りゅうかさん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年10月1日 12時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
りゅうか - これ、すごく面白いです!更新頑張って下さい!応援してます! (2020年9月30日 18時) (レス) id: bcaef78a16 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - 夜さん» お好みにあっていた様で良かったです!!私は髪、私は髪...(動揺) (2020年8月17日 12時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 神ですか？？？？好きです… (2020年8月17日 10時) (レス) id: 0de64ad68c (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - るーさん» 何時もありがとうございます!!めっちゃ更新頑張ります! (2020年7月15日 16時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2020年7月12日 14時
