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・smile side
なかむたちと昼食を取っていると、かなり遅れてぶるっくがやって来た。ぶるっくの手には何時ものカツ丼が乗せられていて、彼は鼻歌を歌いながら俺の向かい側に座った。
「あれ、ぶるーく。きんときは?」
俺の隣に座るきりやんがぶるっくに尋ねる。そういえば、と思い辺りを見回してみるが、きんときの姿はここにはなかった。ぶるっくは鼻歌を止めて、気まずそうな顔をする。
「ん?きんさんとはすれ違ったよ。射撃場に行ってくるって〜」
そう答えたぶるっくは、いつものへらへらとした笑顔だった。きんときが昼飯も食わずに自主練とは珍しい。体調は食事には一番気を使っていた彼だから、何か違和感を覚えた。
ぶるっくが何かを隠している?
隠すことがあるとすれば、反逆に関してのことだろうか。情報は全員で共有すると約束はしているけれど、言えない情報ってそうそうないはずだが...。
「おー、このスープ美味しいですね」
嗚呼、そうか。彼女がいるからか。
まあ、いずれ話してくれるだろう。俺は考えるのを止めて、食事を進めることにした。先ほどからなかむがじっとぶるっくのことを見つめている。彼も何かに気づいたのかもしれない。
ビーッビーッビーッ
すると、突然ブザー音が鳴った。周りにいた新人兵や新隊員の者は何事かとざわめき始める。俺らはこのブザー音を聞いたのは、たしか四回目。
「...地下牢からの脱獄者」
初めて聞いた音に、テラさんも慌てるかと思っていたが、彼女は意外にも冷静さを保っていた。向かい側に座るなかむに、どういうことなのか説明を受けている。
「へぇ...脱獄者、ですか。それって今、ここにいないきんときさんと他の誰かに関係でもあるのですか。
答えてください。ぶるーくさん」
「「!!」」
なかむからの説目を聞き終えた彼女は、しばらく黙りこんだあと、ぶるっくを名指しして尋ねてきた。この場にいる俺たちは呆気にとられていた。
これは...彼女が何者なのか調べる必要がある。
そもそも俺は初めてあった時から彼女を不審に思っていた。猫を被ったような性格に「気づいて」と訴えかけてくる真っ直ぐな視線。その視線は何時もきんときに向けられていたのを、俺は知っている。それに、彼女の腕に巻かれた青いリボン。あの射撃訓練の際にチラリと見えた、青いリボンに刺繍された紋章は我々国のものではない。
「君は一体何者?それにどうして僕?」
テラさんから笑顔が消えていった。
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葡萄。 - りゅうかさん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年10月1日 12時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
りゅうか - これ、すごく面白いです!更新頑張って下さい!応援してます! (2020年9月30日 18時) (レス) id: bcaef78a16 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - 夜さん» お好みにあっていた様で良かったです!!私は髪、私は髪...(動揺) (2020年8月17日 12時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 神ですか？？？？好きです… (2020年8月17日 10時) (レス) id: 0de64ad68c (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - るーさん» 何時もありがとうございます!!めっちゃ更新頑張ります! (2020年7月15日 16時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2020年7月12日 14時
