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あの後、俺は馬にのって仲間のもとから離れた。暗い森の中を走っていたら、自分がどこからやって来たのかも解らなくなってしまって、そのまま迷子になってしまった。約五日ほどだろうか、そのくらい長い間、俺はさ迷い続けた。食料は馬に持たせていたものを食べ、睡眠は洞窟の中でとった。その間、傷口が開くことはなかったし、不自由もそんなに無かった。
翌日、俺はとある村に出た。
家が十数軒ほどしか集まっていない小さな集落だった。その村へ近づいて行くと、子供の賑やかな声が聞こえてきた。人がいることに、ほっと安堵した。すると突然、体のあちこちが熱く、じんじんと痛みを増してきた。その痛みに耐えきれず、地面に膝を落として横に倒れてしまう。俺は立つ気力すら残っていなかったので、歪む視界の中、そのまま意識を手離した。
「おや、目が覚めたかい?」
鼻につく消毒の臭いで俺は目を覚ました。声のした方を見ると、机に知らないお婆さんが座っていた。
「ここはあたしの村さ。童(わらし)があんたんこと見つけて、あたしのとこさ飛んできたんだ」
「それより、傷の方は大丈夫かい?」そう問われた俺は、はっとして自分の左肩を見る。左肩には有り難く丁寧に真っ白な包帯が巻かれていた。「大丈夫です」と答えるとお婆さんはにっこりと優しく笑った。
「びっくりしたさ。この村に怪我人がやって来たんだぁもの」
「あ、あはは...すみません」
「怪我だけじゃあねぇ。お前さんが着ていた鎧や馬にもだ。あんた、どっかのお国の兵士さんかい」
「...はい、アルファ国の騎士団です」
「アルファ国??」
お婆さんは目を丸くさせた。そして、何かをぶつぶつと呟いた後、もう一度俺の目を見た。
「アルファ国っちゅうんは、隣接の国か。どうも、言いにくいんやけどなぁ...」
「先日、スペルタ国との戦争が始まった国です。あの、言いにくい事、教えてくれませんか」
お婆さんは眉を八の字にして「お前さんが言うなら」と教えてくれた。
内容はあの戦争のことについてだった。どうやら、勝利の女神が輝いたのはスペルタ王国だったらしい。その事に関しての広報をお婆さんに見せてもらった。スペルタ国の死亡者千五百七名、負傷者一万六千名。
そして、アルファ国の死亡者五千八百三十三名、負傷者二万一千名。
アルファ国は大きな損害を受けた。
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葡萄。 - りゅうかさん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年10月1日 12時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
りゅうか - これ、すごく面白いです!更新頑張って下さい!応援してます! (2020年9月30日 18時) (レス) id: bcaef78a16 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - 夜さん» お好みにあっていた様で良かったです!!私は髪、私は髪...(動揺) (2020年8月17日 12時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 神ですか？？？？好きです… (2020年8月17日 10時) (レス) id: 0de64ad68c (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - るーさん» 何時もありがとうございます!!めっちゃ更新頑張ります! (2020年7月15日 16時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2020年7月12日 14時
