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「クリスティア殿！！団長がお見栄ですよ！！」
「っ、師匠...」
前衛に着くと俺に気づいた団員が、クリスティアを呼んでくれた。彼女は体の至るところに傷を作っており、特に右足からは出血が酷かった。
「ごめんなさい、師匠...。私の力不足で死亡者が...それに、今、スペルタ国の方が優勢で」
クリスティアはごめんなさい、ともう一度頭を下げた。
「大丈夫、大丈夫」
俺はそんなクリスティアの頭を軽く撫でてやった。
「さーて、こっからは俺も暴れさせてよ」
俺は鞘に納めていた剣を抜き取る。そして、そう遠くもないところで一息ついている敵を狙って、強く右足を蹴った。数々の仲間と敵の間をすり抜けて、俺はその敵との距離を詰める。全く、戦場で一瞬でも気を抜くなんて、彼は兵士失格だな。俺はそう嘲笑いながら、敵の喉をかっ切った。
そのままの流れで後ろから追いかけてきたであろう二人に飛びかかる。一人は腹部を強く蹴り、地面になぎ倒す。もう一人は頭を防具で守っていたため、頭を強く蹴り、その勢いを殺さずに肩に一本、剣で真っ赤な線を引いた。
「ど、どうか命だけはっ......」
命拾いしようとしてきた相手。とても醜い様だ。俺はわざと命拾いをしてきた彼の喉に剣を刺した。本来なら心臓を一突きで終わらせて上げようと思っていたけれど、兵士としての覚悟がないくせにここに立っているのであらば、最後くらい痛みに苦しみながら死んでくれ。
残りの殺しきっていない敵は、心臓部を狙って深く胴体に剣を刺して殺した。
ここに来て、何時間が経ったのだろうか。もう、何人をこの手で殺してきたのか数えられない。何十人とも戦っている内に、俺は左肩を負傷し、他にも全身に深い傷を負った。
「団長っ......。すぐに止血を！！」
後方に下がってくると、俺の姿を見た団員が急いで包帯を持ってきた。慣れた手付きで素早く包帯を巻いてくれた団員に、俺は「ありがとう」と感謝した。
「団長...貴方だけはどうかお逃げください！！」
「?いきなりどうした、マーク」
マーク、それは手当てしてくれた団員の名前だ。
「私達は総軍師官様から言われているのです...。もしもの時は貴方だけでも逃がせ、と」
「...は?」
「例え総軍師官からのご命令でも、俺は逃げないから」
マークにそう告げた俺は、再び前線へと走り出した。
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葡萄。 - りゅうかさん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年10月1日 12時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
りゅうか - これ、すごく面白いです!更新頑張って下さい!応援してます! (2020年9月30日 18時) (レス) id: bcaef78a16 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - 夜さん» お好みにあっていた様で良かったです!!私は髪、私は髪...(動揺) (2020年8月17日 12時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 神ですか？？？？好きです… (2020年8月17日 10時) (レス) id: 0de64ad68c (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - るーさん» 何時もありがとうございます!!めっちゃ更新頑張ります! (2020年7月15日 16時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2020年7月12日 14時
