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...
「騎士団長殿、今回はスペルタ国がお相手です。どうか無理のなさらないように」
「解ってますって。そんなに俺のことを心配してるんですか。貴方も、陛下も」
「もちろんです。特に国王は。十六にして騎士団長に昇進、最年少にもほどがありますから」
ですが、その歳で前・騎士団長直々に任命されるということは、かなりの強者ということでしょう?
俺がこの国に訪れる約二年前。俺は先日、戦争で葬ったアルファ国の騎士団長として最前線を走っていた。その時の歳は十六。騎士団の中でも最年少であった俺は、団長という座に立ち、多くの命を両肩に背負っていた。
「ししょー、そろそろ出発しましょう」
そして、一人の弟子を持っていた。弟子の名前は確かクリスティア・テラー。騎士団の中でも数少ない女の一人で、強さも俺とは並だった。俺よりも一つ、歳上である彼女が本当は騎士団長になるはずだったのだが、「女だから」という理由で落とされたのだそうだ。
「師匠、何度も言うけど私は別に気にしてなんか無いからね」
「ん、何が?」
「団長になれなかったこととか、年下の弟子ってこととか。たかが一年、師匠よりも長く地球にいたからって私は胸を張れないもの。強さは師匠の方が上だし」
「や、やめろって言ってんじゃん...そういうの。でも、嬉しいよ」
クリスティアは俺よりも少し小柄で、綺麗な黒髪を持ち、瞳は美しい黄金色だった。
スペルタ国が進軍を開始したという報告を受けて、俺は二頭の白馬の手綱を引いて、騎士団の前に立った。隣には俺よりも少し背の低いクリスティアがいる。彼女は緊張でもしているのか、何度も深く深呼吸をしていた。
「緊張、してる?」
「当たり前です。ふぅ...。だってスペルタ国は最近、波に乗っているんですよ。彼らの背景には"我々国"がいるのですから。それに......」
クリスティアは何かを言おうとしたようだが「何でもない」と言って、俺から一つ手綱を受け取った。何を言おうとしたのか気になるが、言いづらいことなのかもしれない。
「わかった。じゃあ、約束しよう?クリスティア」
「...約束、ですか?」
俺は自分の右腕に巻いていたアルファ国騎士団の紋章が描かれた青いリボンを、彼女に渡した。受け取った彼女はどういうことかとリボンと俺を交互に見つめる。まあ、驚くのも無理もない。何せ、そのリボンは騎士団長の証であるからだ。
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葡萄。 - りゅうかさん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年10月1日 12時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
りゅうか - これ、すごく面白いです!更新頑張って下さい!応援してます! (2020年9月30日 18時) (レス) id: bcaef78a16 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - 夜さん» お好みにあっていた様で良かったです!!私は髪、私は髪...(動揺) (2020年8月17日 12時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 神ですか？？？？好きです… (2020年8月17日 10時) (レス) id: 0de64ad68c (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - るーさん» 何時もありがとうございます!!めっちゃ更新頑張ります! (2020年7月15日 16時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2020年7月12日 14時
