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「ただ、僕から離れないで」
親友の俺の手を握る力が強くなる。だけど、彼の肩は小さく震えている。怖いのに。何で、そんなに強がっているの。俺もいるから大丈夫だよ。そう言おうと口を開いた時、大男がやっとのことで階段を降りてきた。
「外に逃げよう！！」
俺はとっさに親友へ叫ぶ。だけど、彼は首を振った。いつもは透き通っている筈の綺麗な青い瞳で、じっと男を見つめながら。
「それは、ダメ。外に仲間が来ているかもしれない。玄関の靴の数でわかるでしょ。靴を履かないまま、数人がお母さんたちの死体を抱えて何処かへ行ったんだ。もし、戻ってきたら...」
「はっ、ずいぶんと間抜け面してんじゃねぇか。餓鬼ども。逃げられると思うなよ」
「何で、殺す必要があんだよ」
「いいから！！離れないでね、シャークん」
大男がポケットに隠していた矢じりを俺らに向かって投げてきた。それを綺麗に交わした親友は、俺の手を握ってリビングへ駆け込む。逃げ込んだリビングにあるソファーには、ベッタリと血がついていたが、足を止めるわけにはいかない。
「ちょこまかと！！うざったい...おい、まだかよ！！さっさとしろ！！」
大男は叫ぶ。仲間を呼ぶために。
「ねぇ、シャークん。僕さ、言ったよね。神様はいないんだって」
「うん」
大男の視界から逃れるため、キッチンの下へと潜り込む。
「僕に神様がいなかっただけで、シャークんにはきっといるよ」
「何で」
「...さーね」
「おい！！こっちだ。さっさと出てきやがれ」
大男は仲間を連れてこちらへ向かってきている。足音からして二人、だろうか。靴の数からしてもっといたはずだ。外へ待機しているのか?親友が言っていたみたいに。
キッチンの下で息を殺していると、俺らの目線の上から何かが落ちてきた。グチャリと鈍い音を立てて動こうともしないそれを見て、ぎょっと目を見開く。ベットリと付いた赤い血に、丸い球体。橙色らしき管のようなものがついている。
「ひっ...」
「え...?」
それは"誰か"の目。
「見つけたぜ、餓鬼ども。生憎、国の方にまで通報されちゃ、こっちも困るからな。
＿＿＿＿＿死んでくれよ」
俺らは彼らの意図にまんまとはまってしまったようだ。思わず声を漏らしてしまったんだ。口を手で覆い隠すよりも先に、声が出てしまったのだ。
「ここで死んだら、ダメなんだ！」
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葡萄。 - りゅうかさん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年10月1日 12時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
りゅうか - これ、すごく面白いです!更新頑張って下さい!応援してます! (2020年9月30日 18時) (レス) id: bcaef78a16 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - 夜さん» お好みにあっていた様で良かったです!!私は髪、私は髪...(動揺) (2020年8月17日 12時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 神ですか？？？？好きです… (2020年8月17日 10時) (レス) id: 0de64ad68c (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - るーさん» 何時もありがとうございます!!めっちゃ更新頑張ります! (2020年7月15日 16時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2020年7月12日 14時
