文アル短編集

淋しい。【太宰治】 ページ1

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桜の咲く、４月。
彼らは中庭で花見をしていた。
呑んだくれる人もいれば、仲間と和やかに会話する人、木を見つめ縄をくくりつける人...

『！？太宰先生！何してるんですか！』
「何って、ほら桜が綺麗じゃん。死ぬにはもってこいの日だ！」
『もう！やめてくださいね、私、話なら聞きますよ。』

最近、彼に何か思い詰める様なことがあったのだろうか。もしあったのなら気づけなかった私は司書失格、だ。それに、本当は「話なら聞きますよ」ではなく「そんな悲しいこと言わないで下さい、私は貴方がいなくちゃ淋しいんです。一緒に生きましょう。」と言いたいのだ。
だけど。恥ずかしくてそんなこと言えるはずがない。でも、いつか言わなきゃな、と思っている。私は彼の事が好き、だから。

太宰side
可憐に咲く、桜。けれどいつかは儚く散ってしまう。淋しい。
そうだ。ここで死にたい、とでも言えば誰か俺を見てくれるだろうか。
周りを見回すと皆それぞれ俺なんかに目もくれず花見を楽しんでいる。縄をくくりつけでもすれば、誰か止めてくれるかななんて思いながら実行にうつす。
後ろから、
「太宰先生！何してるんですか！」
司書だ。止めてくれた、矢張り彼女は優しい。
『何って、ほら桜が綺麗じゃん。死ぬにはもってこいの日だ！』
なるべく明るく答えたつもりだったけど一瞬、本当に一瞬。司書は悲しそうな顔をした。自惚れても良いのかな、なんて。
「もう！やめてくださいね、私、話なら聞きますよ。」
別に、話を聞いてほしい訳じゃあない。でも。彼女と話せるならそういう事にしてもいいかなと思ったり。俺は彼女の事が好き、だから。



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始めてなので上手く書けてるか心配です。
もっとこうしたらいいよ、とかあったら教えて下さい！

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