僕と君と僕らの物語【短編集】 (ページ18)

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今思えばナンパっぽいよなぁと思いながら、ベランダにある紫のパンジーをみる。

その後本当にご飯に行って、友達になり、付き合うに至った。
薬局で会ったことがあることは、何回か会って仲良くなってから話した。少し驚いていたようだけど、意外と気持ち悪がられなかった。それを告げるのに結構緊張したのが伝わったのか、彼女は｢実は私もね、｣と、あの時お花と会話してたことを教えてくれた。

｢お花で場所覚えてたと思ったんだけど、たつくんがいたとこのは違う子だったんだよね～｣

不思議な子だとは思ったけど、彼女が俺に自分の世界を覗かせてくれたのが嬉しかった。そして、もっと知りたいと思った。理解出来なくても、見守っていたいと思った。

｢あれ言って引いたような素振りみせたら、もう会わないつもりだった(笑)｣

笑って言うけど本気なんだろう。彼女の世界は独特だから。

辰｢よかった俺引かなくて｣

｢たつくんに引かれてたら結構傷ついてたと思うからさ、｣

辰｢なに、それってあん時から俺を恋愛対象で見てたってこと～？｣

｢そりゃそうだよ、最初っから｣

じゃないとご飯とか行かないよ～、と笑う彼女。ニヤける口元を手で押さえて、またベランダに視線を投げた。

偶然と必然が重なった恋