【小説版】Honey joker (ページ7)

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百合音「7話...？」ページ7

「……」

「……」

無言の状態で律の前の席に腰掛けること、およそ10分間。

人も集まってきて、教室は徐徐に騒がしくなってくる。

「あ、あの…」

「…え？」

「ゆ、百合音様…!!はう…」

現れた男子生徒は、私を見るなり顔を真っ赤にして去っていった。それも千鳥足で。

此処の席を譲ろうと思ったのだが、取り敢えずまだ座っていて良いらしい。

何の事だか判らずに首を傾げていると、背後から笑い声が漏れた。

「…今の、前の席の奴。相変わらずだな、百合の男子人気は。くふふ、」

「は？何の事？」

「彼奴さぁ、山下っつうんだけど…、いっつもお前の話ばっかしてんの」

「…ふーん」

「あ、照れただろ、今の」

「…照れてない、この馬鹿律」

「へーえ？じゃあ何で俯いてる訳？」

名前は今日知ったし、顔も初めて見たけれど、やっぱり誰かに好かれてるのは嬉しいもの。

ゆるゆると熱くなる頬を隠す為、俯いていたのだ。

「律。貴方、うるさい。そろそろホームルーム始まるから」

「おい百合ー、逃げんなよー」

律とも夕藍ともクラスが離れている。

少し寂しいけど、絶対に誰にも言わない。

クラスに戻ると、いきなり自称『ダーリン』の未黎に話し掛けられる。

「百合音、どこ行ってたのさー？ダーリンの私に言わないでさぁ」

「ごめん、ダーリン。ハニーは今、馬鹿を成敗してたから、許して」

「良いよ！許す！」

そう言って私の頭をわしゃわしゃと撫でたのは、未黎こと成瀬未黎。

黒髪のショートカットと切れ長の美しい瞳が印象的な女の子だ。

顔立ちも何と無く中性的な美形で、その上男役もこなす演劇部。

後輩の女の子に人気が高いらしく、私と一緒にいても突然告白をされていたりする。

「ほらほら、ホームルーム始まるよーん。竹内、厳しいじゃん、遅刻にはさ」

「あ…そう言えば、荷物置いてなかった」

「何だっけ？戸緋とか云う幼馴染みの所に行ってるからだよ」

「…だって、彼奴が椅子から落ちたから」

「えぇ？まあ座ろっ」

私の席は、真ん中の列の前から4番目位。

前にいるのは未黎で、まさに最高の席。

「…げ、一時限数3じゃん。百合音～」

「任せて」

「頼りになるなぁー、流石マイハニー！」

胸を張って頷くと、音符が付きそうな、良く通る声音で私に抱き着く彼女。

今日が楽しいのは、未黎の、律の、夕藍の…ハニジョの皆のお陰。

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私もオリキャラ出してもうた()