episode20 恋はサイリウム �� ページ50
秋山さんから賢ちゃんのことを聞いたそのすぐ後に、賢ちゃんは結婚を決めた。
その日に劇場からあいつと歩いて帰ったとき、今までうっすら気がついてはいたこと、Aの口から始めて賢ちゃんへの気持ちを聞いた。
そして今まで本当に何もなかったことも聞いた。
そのことに驚いている俺を見て、困ったように笑った後、まっすぐな眼で言った。
……川西さんって、そういう人なんだよ。
好きな人にしか自分を見せないんだよ、絶対に。
「…それは、お前もやん」
さっき買ったばかりのペットボトルは、今の自分みたいにひどく冷たい。
楽しそうな行き交う人の群れに目をやりながら、行き場のない想いを落とす。
「……っ、…お前もやろ」
いくら俺がお前の近くにいようと、
話をしようと、
どうしたって見せようとしないところがあるんやろ。
お前にも、賢ちゃんにしか見せないところを持ってるんやろ。
ドーン！！
打ち上がる花火であたりが光り輝く。
花火を嬉しそうに見上げる賢ちゃんの隣で、
手首の安っぽくピンク色に光るそれに、小さく優しく唇をつけるAを見て、
叶うことのない想いについ、
ぼそり、言葉を投げ捨てる。
「……A」
パラパラと夜空に響く花火の音も今あいつには聞こえていないのかもしれない。
そんな手首の小さな明かりより、夜空の大きな花火の方が何十倍も輝いてるのに、
そんなのすぐ消えてしまう儚い光なのに、
これがいいの、と言うように愛しそうなあいつも、
そんなあいつを諦めれない俺も、
儚い、サイリウムの光のようなものに、
恋い焦がれてしまうのだろう。
いつか、消えてしまっても。
END
ーーーーーー
皆さま、いつも見てくださってありがとうございます！
お気に入りやコメント、リクエストもたくさん頂いて、嬉しいです。
リクエストスムーズに更新できなくてごめんなさい。
これにて「川西さんと365日」part2は終了となります。
あっという間です 汗
話数がもっとあればなぁと思うこの頃です。
それでは、しれっとpart3始まりますよぉ！
part3でもどうぞよろしくお願いします！
ツアー行けた人羨ましいー！笑笑
私もデュエットしたーい！笑笑
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ユウ(プロフ) - 最初からずーっと読ませてもらいました。切ないお話に、涙がでました。賢ちゃんが好きです。 (2019年1月8日 21時) (
レス) id: e0b3508749 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - まりぃさん» まりぃさんご無沙汰してます。すごく遅くなってしまい申し訳ございません(＞＜)Part3の方でリクエストを更新いたしました！めっちゃ今更ですがよかったらご覧くださいませ(＞＜)ステキなリクエストをありがとうございました^ ^ (2018年12月29日 11時) (レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - ゆ〜さん» ゆ〜さん、長い間お待たせしてごめんなさい(TT)リクエストを書かせていただきました^ - ^よかったら読んでみてください^ ^ステキなリクエストをありがとうございました^ - ^また秋山さんのお話書いてみようと思います^_^ (2018年11月25日 13時) (レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 彗桃さん» 彗桃さん^ ^ part1を使った時から見てくださってありがとうございます^ ^読み返してくださってるなんて感激です(TT)恋はサイリウム気に入ってくださり嬉しいです。憧れだなんて言ってくださり私も泣きそうです(TT)切ない系のお話し好きなのでまた書きますね〜^ ^ (2018年11月25日 13時) (レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
彗桃(プロフ) - 久しぶりにpart1から読んで切ない系はほとんど全て泣いてしまいました〜（汗）恋はサイリウムも久しぶりに読んだんですがまた泣いてしまいました（汗）ちゅんさんに憧れを持ちつつも1ファンとして楽しませてもらってます！頑張ってください！ (2018年11月20日 23時) (レス) id: 89eb2c9c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅん | 作成日時：2018年2月11日 18時
