川西さんと365日 part2

episode18 みのさんリクエスト �� ページ42

「………あほ、…やきもちなんて、数えきれんくらい妬いてるわ……」



「え、うそ！」


「ほんまやって、……気付かれんようにしてるだけ」


「……そ、そーなの？」



「……さっきやって、あんな距離でいつも男と話してるんか？」



「……や、あ、……でも、ほら！あいつはただの友達やし！」



「…ふーん、ただじゃない友達もおるん？」



「ちょ、…あげ足取らないでよ」



「はぁ、…ムカつくわ、Aの無防備なところ」






低い声の後、唇が重なった。すぐに舌が口内を抉って、執拗なキスに苦しくなって鼻から吐息を吐くと、賢くんは首筋に顔を埋めてきた。




「ひゃッ…！まっ、まって、」


「俺はじゅうぶん待ったと思うけど？Aやって物足りんって思ってくれたんやろ？」


「だ、って……なんで、急にっ、」



条件反射で彼の胸を強く押す。ビクともしない身体に、男の人なんだって感じて顔が熱くなる。




「急ちゃうよ、今まで我慢してただけやし、……それに、…猶予をあげてたんや…」



「……ゆ、うよ？……」



「……Aは……まだ若いやろ……いつか気の迷いやったって思う時が来るかもしれん……そうなった時に、……俺がお前をちゃんと手放せるように、いままで線引きしてた……やけど、……お前が求めるなら、俺が我慢する必要ないやろ…っ、」



「……け、ん…っ」





知らなかった彼の本心に涙がぼろぼろ溢れてくる。




ちゅっと頰にキスを落とした彼は、着ていたシャツのボタンを外して、同時に私にキスをする。




されるがままになりながら、彼の乱れたシャツをただ握るしかない自分の手が、ひどく頼りない。




私だって、何も知らないわけじゃないのに。




キスだってそれ以上だって、とっくに準備はできている。………………はずなのに。






「他の子と何が違うって？…全然、違うわ…」






とうとう耐えきれずたくましい腕を掴むと、逆にその手をとって指を絡めて、囁いた。





「教えたるよ…おまえが、俺にとってすごく特別やってこと」



「…………っ、……」







きっと、幼かった私を、彼はずっと傍で見守ってくれていたのだろう。





覚悟を決めて、彼の胸に抱きついた私を、






強く、抱きしめて、耳元で囁いた。









「……お前以外の女なんて、もう無理やから」








いつも見上げていた少し先から、大人な彼が私の手を引いた。








END

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