7話 ページ7
劇場近くの道を歩いて、なんばの飲み屋街を抜けると大きな道に出る。
日付が変わっても眠らない街は灯と人と車で賑やかだった。
歩いて帰る途中お酒が回ったAちゃんは人懐っこく、いろんなことを話してくれた。
「今日は本当にびっくりしましたよ、秋にぃがいるなぁって思ったら川西さんもいるなんて」
「あんなとこで偶然の再会なんてほんまにあるんやな」
「忘れてたけどね」といたずらっぽく笑った彼女に「ごめんな」と言うと、「気にしてないですよ」とちょっと寂しそうに笑う。
俺の記憶の中でのAちゃんは中学生で、元気のいい女の子。
「賢ちゃん、賢ちゃん！」って会う度に俺のとこに駆け寄ってきて腕を掴んで引っ付いてた女の子。
可愛らしい女の子。
ほっとけない女の子。
でも、なんか大事なことを忘れてるような気がする。
それが何かは思い出せない。
「あの、さぁ…」
呼びかけると俺の前を歩くAちゃんはクルッと振り返って、肩までの髪がふわっと舞ってまるでCMみたいやった。
「…どうしました？」
「…あ、……なんかそんな感じやったかな、って」
「え？」
「なんか昔はタメ口やったし、名前も賢ちゃんって呼んでくれてたから、なんか別人みたいやなぁって」
「ふふ、まぁ大人になったということですよ」
あ、今笑って誤魔化された気がする。
ふらふら歩く後ろ姿。危なっかしくて慌てて腕を掴んだ。
その反動でかなり距離が近くなってしまって、
半ばヤケクソで思ってることを伝えた。
「……っ、前みたいに、呼んでくれへんかな？」
「……呼びませんよ、もうあの頃とは違います」
「……そうか」
「なんか、照れくさいし」とヘラっと笑って俺の腕からするりと抜けていく。
右腕の残り香に、ますます息が苦しくなった。
「あ、もうこの辺で大丈夫ですよ。家すぐそこなんで」
「あかん、秋山くんに頼まれてるから。ちゃんと家まで送る」
「秋にぃは過保護すぎるんですよ〜、川西さんも明日仕事でしょ、早く帰って明日に備えてほしいです」
何やそれ、俺の心配なんかしとったんか。
「そんなこと考えとったん？Aちゃんは女の子なんやから、俺やって心配させてや？」
そのまま手を握って歩いてく。
彼女の反論は無視して。
ちゃんと捕まえておかなどっか行ってしまいそうやなって思ったから、握る手の力を少しだけ強めた。
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ちゅん(プロフ) - リタさん» リタさん。かなり前にコメントくださってたのに返せなくてごめんなさい。河井さんが実は重要な人物だったりします＾＾更新しましたので読んでくださると嬉しいです。 (2019年9月24日 21時) (
レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - なむなむさん» だいぶ前にコメントくださってたのに返さなくてごめんなさい。嬉しいコメントありがとうございます^ ^更新しましたので読んでくださると嬉しいです。二人の行く末を見守ってください＾＾ (2019年9月24日 21時) (レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
リタ - めちゃめちゃキュンキュンします！健気！でもゆずるくんと今後どうなるのかも気になるし胸が痛くなるけど、それ以上に川西さんがかっこよすぎます更新待ってます(>_<) (2019年2月7日 0時) (レス) id: becfb912c1 (このIDを非表示/違反報告)
なむなむ - 更新待ってます！めちゃくちゃキュンキュンして早く2人の恋がかなってほしいです！ (2019年1月6日 15時) (レス) id: e31a65da9f (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - おこめさん» おこめさんごめんなさい〜(T . T)止まってますがちょっとずつ貯めて更新を企んでます^_^365日ばかりに力が入ってしまい反省です(T . T)更新頑張ります！また遊びに来てください(^^) (2018年12月9日 14時) (レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅん | 作成日時：2017年12月19日 9時
