36話 ページ36
「ちょ、泣かんでよ結菜ちゃん〜」
「怒ってるんです！」
俺が渡したおしぼりを強引に受け取ると、更にブツブツAへの不満をぼやいていた。
「もっと、私のこと頼ってくれたらいいのに…」
「そうやなぁ…」
確かにAは壁を作る人間、というか本心をなかなか見せへんタイプで、自分の気持ちを抑えて周りを優先することが昔から多い。
「前にAが泣き腫らした眼で来たことがあって…12月やったかなぁ…そんなん初めてやったから本当はすごく心配なのに…なんていうか……Aから話してほしくて…つい待ってる自分がいるんです…」
まるで恋する女の子のようにAへの想いを熱く語る結菜ちゃんに俺は目頭が熱くなってきた。
多分酒が入ってるせいでもあるけど、こんなにもAのこと思ってくれてる子がおるのが嬉しかった。
「結菜ちゃん、もうちょっと待ってあげて欲しい…あいつの気持ちなんていくら話したって俺たちの想像でしかないから」
「…はい」
「ただな、ちょっと協力してほしいんやけど、」
「協力？」
俺の言葉に不思議そうに首をかしげる結菜ちゃん。
俺の考えた作戦を説明した後子供のように目を輝かせてた。
.
「秋山さ〜ん、しっかりしてください〜」
「う〜ん、あとちょっとぉ…」
テーブルに突っ伏してる秋山さんの肩を揺するけど、さっきからむにゃむにゃなんか言うてるだけでちっとも起きてくれない。
どうしよう、もうすぐお店は閉店時間でさっきからチラチラ店員さんにこっちを確認されていて、若干気まずい。
どうしよう…あたし一人じゃ連れて帰れんかも…
うーん、タクシー呼ぶかなぁ…
なんて考えてると、後ろから誰かに肩を叩かれた。
「何してんの…って、秋山くんどうしたん！」
「なんで……」
いつもお店に来てはAと仲よさそうに話してて、
すごく眩しいくしゃっとした笑顔が印象的な人…
「……河井、さん」
「なんか意外な組み合わせやなぁ」
目を細めて笑うその顔を真下から見上げる。
こんな近くで見るのは初めてやったから思った以上に背のある河井さんから何故か目が離せなかった。
「…さ、作戦会議…です…」
「作戦？……なんやそれ」
あ、言うてしもた。
途端に眉間に皺を作って怪訝そうな顔でこっちを見下ろす河井さん。
あ、もっと見たかったな。
なんて思う自分に一番私が驚いた。
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ちゅん(プロフ) - リタさん» リタさん。かなり前にコメントくださってたのに返せなくてごめんなさい。河井さんが実は重要な人物だったりします＾＾更新しましたので読んでくださると嬉しいです。 (2019年9月24日 21時) (
レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - なむなむさん» だいぶ前にコメントくださってたのに返さなくてごめんなさい。嬉しいコメントありがとうございます^ ^更新しましたので読んでくださると嬉しいです。二人の行く末を見守ってください＾＾ (2019年9月24日 21時) (レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
リタ - めちゃめちゃキュンキュンします！健気！でもゆずるくんと今後どうなるのかも気になるし胸が痛くなるけど、それ以上に川西さんがかっこよすぎます更新待ってます(>_<) (2019年2月7日 0時) (レス) id: becfb912c1 (このIDを非表示/違反報告)
なむなむ - 更新待ってます！めちゃくちゃキュンキュンして早く2人の恋がかなってほしいです！ (2019年1月6日 15時) (レス) id: e31a65da9f (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - おこめさん» おこめさんごめんなさい〜(T . T)止まってますがちょっとずつ貯めて更新を企んでます^_^365日ばかりに力が入ってしまい反省です(T . T)更新頑張ります！また遊びに来てください(^^) (2018年12月9日 14時) (レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅん | 作成日時：2017年12月19日 9時
