15話 ページ15
冬の寒さは余計に心を締め付ける。
前を歩く広い背中はずっと恋い焦がれてたものだった。
賢ちゃんと家までの道を歩く。
この状況が未だ信じられないでいる。
その反面冷静な自分もいて、沈黙が苦しくてずっと関係ないことばかり勝手にベラベラ話してた。
うるさい女だと思われる？
相変わらず子供だなって思ってるかも。
「…なんかそんな感じやったかな、って……昔はタメ口やったし、名前も賢ちゃんって呼んでくれてたから、なんか別人みたいやなぁって」
そう話す賢ちゃんの笑顔がちょっとだけ寂しく見えるのは、きっと冬の夜のせいだ。
意味深な言葉を真に受けてたら心がもたない。
「ふふ、まぁ大人になったということですよ」
笑って誤魔化す。
今度は彼の前を歩く。
つんと鼻の奥が痛くなる。
泣くな、泣くな、泣くな。
そんなことを考えてると、後ろから腕を掴まれた。
「……っ、前みたいに、呼んでくれへんかな？」
どうして？
どうして、離してくれないの。
掴まれた腕が熱い。
賢ちゃんの焦ったような顔に心臓が飛び出そう。
呼びたいよ。
今すぐその名前を呼んで、あなたの胸に抱きつきたい。
「……呼びませんよ、もうあの頃とは違います」
「……そうか」と力なく返事をする賢ちゃんに胸が痛む。
「なんか、照れくさいし」と笑って彼の腕から離れた。
掴まれた腕に残る温度にますます息が苦しくなった。
.
家まで無理矢理あたしを送り届けた賢ちゃんは、連絡先を教えてほしいと言ってきた。
断らなきゃ。
繋がりなんて持てばますます彼を忘れることはできない。
それなのに、
「…貸してください」
賢ちゃんのスマホを借りて番号を打ち込む。
それを渡すとそのまま足早にマンションの中に入る。
階段を駆け上がって、玄関の扉を開けて入ったとこで力尽きた。
「……っ、ふ…………〜 〜っ、……」
ボロボロこぼれる涙は止まる術を知らない。
「Aちゃん」と優しく笑う彼の笑顔が、声が、耳や頭から離れてくれない。
だって、何一つ変わってないんだもん。
あなたも。
あなたを好きな、あたしの恋心も。
中学生だったあたしが「変わってないね」と笑った気がした。
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ちゅん(プロフ) - リタさん» リタさん。かなり前にコメントくださってたのに返せなくてごめんなさい。河井さんが実は重要な人物だったりします＾＾更新しましたので読んでくださると嬉しいです。 (2019年9月24日 21時) (
レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - なむなむさん» だいぶ前にコメントくださってたのに返さなくてごめんなさい。嬉しいコメントありがとうございます^ ^更新しましたので読んでくださると嬉しいです。二人の行く末を見守ってください＾＾ (2019年9月24日 21時) (レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
リタ - めちゃめちゃキュンキュンします！健気！でもゆずるくんと今後どうなるのかも気になるし胸が痛くなるけど、それ以上に川西さんがかっこよすぎます更新待ってます(>_<) (2019年2月7日 0時) (レス) id: becfb912c1 (このIDを非表示/違反報告)
なむなむ - 更新待ってます！めちゃくちゃキュンキュンして早く2人の恋がかなってほしいです！ (2019年1月6日 15時) (レス) id: e31a65da9f (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - おこめさん» おこめさんごめんなさい〜(T . T)止まってますがちょっとずつ貯めて更新を企んでます^_^365日ばかりに力が入ってしまい反省です(T . T)更新頑張ります！また遊びに来てください(^^) (2018年12月9日 14時) (レス) id: 722850fb8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅん | 作成日時：2017年12月19日 9時
