19曲目 幻想曲 ページ19
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─────夢幻の如くなり
帰り道、夜ご飯の材料をスーパーで買って行く。レジ袋1つは半間が持ってくれた。夕日が眩しいから半間の後ろを歩くことにした。
「 もう1つは持ってくれないんだね 」
「 そっちは軽いだろ〜? 」
「 まぁそうだけど。……ねぇあの……最近夜いない時どこ行ってるの 」
ずっと気になっていたことを聞いてしまった。半間は振り返ることも無く、しばらく沈黙を置いて言葉を紡ぎ出した。
「 金稼ぎ 」
「 …………どうやって? 」
ズカズカ来るなぁ、オネーサン、と言ってしばらくしてやっと返事が帰ってくる。気づいていないフリをしていてそれはやっぱり何となく予想していて、何となく落胆する。
「 女と
「 ……………別にそんなことしなくていいよ 」
「 生活費がなんたら言ったのオネーサンじゃん? 」
「 いーから、そんなことするくらいなら 」
少し、少しだけ何か裏切られたような気持ちになる。意外と聞けば答えてくれるようだし、続けて他にも聞いてみた。
「 じゃあヘルメットなんで二つもってたの 」
それを言うと半間は立ち止まった。それに気づかず私は背中にぶつかってやっと立ち止まる。地雷だったかも、ごめん、なんでもない、と言おうか悩んでるところで半間が振り返った。
「 俺が寝言でよく言ってたヤツの、…もーどこにもいねぇけどな 」
「 ……え、ごごめん 」
「 あ?別に大したことねーよ、煙草買ってくるわ 」
うわ、ほんと自分最近やらかしてる。どうしよう、ちょっと怒ってるかも。半間がコンビニに入っていった間、いたたまれない気持ちで仕方なくて一人で唸っていると、誰かに肩を叩かれた。
「 すみません、ここら辺で財布落としたんすけど、知りません? 」
「 ちょっと分からないです…、一緒に探しましょうか? 」
「 えっ!ありがとうございます、確かこっちの方なんですけど… 」
私は特に何も考えずその人後をついて行ってしまった。路地裏の奥まで付いてきて、暗すぎて下が見えないと携帯のライトで照らすとすぐ先にこっちへ向いている靴が見えた。ゾワッ、と悪寒がして視線を上へと巡らせて、話しかけてきた人が目の前にいた。目が血走っていて、逃げないと、と足を引いたところでもう遅く、頭を殴られてくらりとして壁に手をついた。
「 アンタアイツの女だろ 」
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愛之助(プロフ) - 凛愛さん» 疲れましたわ〜🥹 ありがとうございますわ〜😭またなにか書けたらいいな…😌 (2022年10月13日 23時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
凛愛(プロフ) - 完結おめでとうございました〜❗️無事死神と踊りました〜❗️一からまた読み直します更新お疲れ様でした🥹 (2022年10月13日 6時) (レス) @page31 id: 1a57349a51 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - ha0824duさん» 初めまして〜🤍それはよかったです😭😭ありがとうございます!完結まで頑張ります〜〜💦💦 (2022年9月5日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
ha0824du(プロフ) - 初めまして!!私の推しor推しなので最高にどっきゅんうっふんしてます(*´◒`*)⭐︎これからも応援してます!♡ (2022年9月3日 22時) (レス) @page23 id: 0233a38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 河谷さん» か、…感謝…🤦♀️🤍 今度ドカッと更新するつもり😌✨ 私こそだい゛ずぎい゛い゛ (2021年11月10日 20時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛之助 | 作成日時:2021年10月28日 8時