＿＿：10.5話 ページ12
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だが、彼女を嫌がらせるのは本意ではない。
それでも、僕だって女子を名前呼びなんかしたことがないし、抵抗があるのだ。
そう主張すると、彼女は手をグーにして僕の前に出した。
「私が勝ったら名前で呼んで。そして残り一つのサーモンは私が食べる」
楽しそうに、いたずらっ子のような表情で僕を見つめる。
……コイツ、じゃんけんで決める気だ。
彼女は何も無いところから、
楽しみを作るのが得意なのだろうか。
「僕が勝ったら？」
「私のおなかからトロを出してあげる」
「気持ち悪いんだけど。僕にメリットはないの？」
「あはは、でも月島くんは何も求めてないじゃん」
僕が求めるもの、か。
「じゃあ僕も、名前呼びしてよ。」
「っｺﾞﾎッッ､ｺﾎｯ､……え゛っ！？」
僕の発言が意外だったのか、
彼女はオッサンのように噎せては、目を大きく見開いた。
普段なら絶対に言わないけど、
この人がからかい甲斐があるから仕方ない。
「何？まさか恥ずかしいの？」
からかうように言うと、彼女は頬を赤くした。
「別に！！私に名前呼びされて照れちゃうのは月島くんのほうだと思うけどねっ！」
「絶対にない。」
「……ほら、するよっ、じゃーんけーん」
ポン
僕はパー。彼女はチョキ。
「……嘘でしょ。」
「！！！勝った！」
彼女は嬉しそうにケラケラと笑う。
……なんとなくだけど、僕が勝つと思っていたから
結構悔しいな。
女子を名前呼びなんか、
一生しないと思っていたのだけれど。
それでもこの条件を飲んだのは僕だ。
「はい、じゃあどーぞ！」
「……A。」
「ふふ、何かね？月島くん！」
……無理矢理呼ばせて何が嬉しいんだか。
「顔。ゆるんでだらしないことになってるけど。」
「うるさいなあ、サーモン残してあげてるのに。」
「……どーも。」
僕がどんなに棘のある言葉を吐いても、
気にしていないのか、はたまた気づいていないのか。
コドモっぽいかと思うと、今のように突然余裕のある対応をしたり。
調子が狂うな。
「ふふ、これからよろしく。月島くん」
「……ん。」
僕が勝手に思っているだけだけど、
彼女が僕を嫌っている様子はなさそうだし、
変に警戒もされていない。
むしろ、お互いに信頼関係があるような雰囲気すら感じる。
……これも、彼女の人柄のせいだろう。
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ねぎ塩(プロフ) - まやさん» コメントありがとうございます。私は他作品との被り？を避けるため、この作品と同じ題材の作品は一切読んでおりません。不快に思われたのでしたら申し訳ないです。 (2020年8月10日 17時) (
レス) id: b9a3808d09 (このIDを非表示/違反報告)
まや - すっごくそっくりな小説を見た事があるのですが、気のせいですかね (2020年8月10日 17時) (レス) id: e9aa121b3d (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ塩(プロフ) - まさみさん» ありがとうございます！！つっきい書くの楽しいです^^* (2020年8月6日 9時) (レス) id: b9a3808d09 (このIDを非表示/違反報告)
まさみ(プロフ) - もう ツッキー最高過ぎてどうにかなりそう(^∇^)本当にこういうストーリー大好きです！更新楽しみにしています(^∇^) (2020年8月6日 8時) (レス) id: 3bff8cdc29 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ塩(プロフ) - みなさん» みなさんに言われると自信もって更新できます、、お気に入りありがとうございます！！大(×ごおく)好きです！！！ (2020年7月27日 7時) (レス) id: b9a3808d09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねぎ塩 | 作成日時：2020年7月22日 2時
