孤 独 恐 怖 過 敏 症 。【孤爪研磨】

第三十話　なかなおり ページ38

研磨side
その日の夜、おれは前みたいにそわそわしていた。
今回は、「研磨くんにも研磨くんなりの考えがあったんだろうし。」じゃあすまされない、と思う。
ほんとに来てくれなくなるんじゃないか、と不安だった。

でも、

コンコンコン、

A「研磨くん、入っていい？」

研磨「いいよ。」

来た。

ガチャ、

研磨「・・・。」

A「・・・。」

気まずい...

研磨「・・・あの、今朝は、ごめん・・・。」

A「、うん、大丈夫。」

研磨「ほんと？」

A「、うん」

研磨「・・・」

A「もう寝よう、反省してくれてるならそれでいいから。」

研磨「・・・うん」

A「あと、研磨くんが壁側に行ってほしい。」

研磨「わかった。」


Aside
今朝のことは、不思議と嫌ではなかった。なんでかはわからない。
でも、研磨くんじゃない人だったら、嫌だったと思う。

あのぞくぞくする感覚が気持ちいいと感じてしまった私は変なんだろう。きっと。

研磨くんの部屋に来た。気まずい空気が流れる。

研磨くんに謝られた。反省している様子だった。

いつもどうり喋りたかったから、いいよって言った。

気になることがあるから聞いた。

A「研磨くん」

研磨「なに？」

A「今朝、何言いかけてたの？」

研磨「何か言いかけてた？」

A「昨日の夜...って言いかけてた。」

研磨「あぁ、昨日の夜、抱きついてきたのはそっちの方だよって言いたかっただけ。覚えてないんでしょ？」

A「全く覚えてない...」

研磨「《、、、けんまくん、ぎゅーってしていい？》って言ってた。」

A「え、なにそれ。私が言ってたの？」

研磨「うん」

A「えぇ...。恥ずかしい...。ってことは、研磨くんがああなったのは私にも非があったってことじゃん。研磨くんだけが悪いわけじゃないよ。」

研磨「手を出しちゃったのはおれだから、おれがわるい。」

A「どっちも悪いってこと。だから、これからもいつもどうり。仲直りしよ！」

研磨「・・・うん。」

A「ほいじゃ、寝よ。」

研磨「ん。」

ベッドに上がる。研磨くんが壁際。
研磨くんの布団、やっぱり落ち着くにおいがする。あったかい。



瞼が重くなっていって、意識が遠のいていく...。


研磨side
隣から規則正しい寝息が聞こえる。

しばらくすると、やっぱりもそもそし始めた。
そっちを向くと、ぎゅ、と抱きしめられた。あったかい。
明日はちゃんと気をつけなきゃね。

おやすみ。

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