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JN「あ!Aさん授業大丈夫なの??
もう一限終わるよ?」
『…えっ!?!?』
JN「もしかして入学して最初の授業からサボり!?アッヒャッヒャッ」
『だ、誰のせいですか!!』
JN「大丈夫、安心して!
僕がどうにかしておいてあげるから☆」
いや、ウインクされても困るんですけど…
あー、またやらかした。
絶対問題児扱いじゃん…
校舎まで案内してあげると言われ、王子の横を歩いて裏庭を出ようとしていると、突然私の顔を見て立ち止まった。
JN「Aさん顔に土ついてる」
『えっ?』
ポケットから黒のハンカチ(これはキャラクター物ではなくブランド物だった)を取り出して、それで私の頬をぽんぽんと優しく叩いた。
あまりに顔が近いもんだから、変にドキドキしてしまった。
JN「よし!これでOK!」
『ありがとうございます…』
この王子はやけに距離が近い。
そして裏庭の出口の扉を開けようと手を伸ばそうとした時、
王子はまるで私の行手を阻むかのようにスッと扉の前に立った。
『ん?何ですか?』
JN「それで…どう?Aさん。
僕のファンクラブに入る気にはなってくれた??」
まるで、頷くまでここから出さないよと言わんばかりのいたずらな笑みを浮かべて私の答えを待っている。
『嫌ですよ、入りませんよ』
JN「えー釣れないなぁ〜…」
君みたいな女の子はそう簡単にはいかないか、と王子は諦めたように笑いながら裏庭の扉を開けてくれた。
JN「あ、僕が裏庭にいたことは絶対内緒ね!」
本当に校舎の前までちゃんと案内してくれて、別れる間際にそう言われた。
『あ、わかりました。
昨日今日といろいろありがとうございました』
JN「ヤー!こちらこそ枯れるだなんて知らなかったから本当にAさんには感謝だよ。」
まるで仲のいい友達かのようにじゃあねー!なんて言って王子はどこかへ行ってしまった。
私の隣には、まだ微かに無花果の香りが残っていた。
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