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『…あの花、ヘレボルスですよね?』
JN「…へ?」
『クリスマスローズ。』
JN「あれ、そういう名前なの?」
『え、知らないで育ててたんですか?
あの花、あんな太陽の当たるところに置いてたら枯れますよ』
JN「そうなの?」
『はい、昔、家で育ててたんで。』
JN「え、本当に枯れちゃうの!?」
そんなの絶対ダメ!!と王子は慌てて花壇まで行き、
寒いにも関わらずジャケットを脱いでその辺のベンチにかけ、白い長袖カッターシャツの袖を捲り、花壇を持ち上げようとした。
しかし、捲ったシャツから出てきた細い腕では当然花壇はびくともしなかった。
JN「ヤーーなんだその目は!
男のくせにそんなのも持ち上げられないのかって馬鹿にしたいのかー!」
『流石にこんな大きい花壇、男の人でも1人じゃ持ち上げられないですよ笑』
こっち持つから反対側持ってください、と言えば王子は渋々持ち替えた。
せーのの合図に合わせれば、最も簡単に花壇は持ち上がった。
JN「ヤー本当にありがとう!助かったよ!」
『いえいえ』
JN「昨日も思ったけど、Aさんって力強いね!羨ましいよ!」
きっと悪意のかけらもないんだろうけど、力強いね!って笑顔で言われても…
女の子としてはあんまり嬉しくないっす…
まぁ、誰も私のことをかわいらしい女の子だとは思ってもないだろうからいいけどね!!!!!
『力が強いって、女の子にとっちゃあんまり褒め言葉じゃないんですよ?笑』
JN「えっ?そーなの??」
『普通、女の子って、可愛くて健気で、男の子に守ってもらえるよう子でいたいっていつも思ってるものなんですよ?』
JN「そーなんだ!僕としたことが…!!
Aさん失礼なこと言ってごめんね…!」
危うくWorld Wide Handsomeの座から陥落するところだったよ〜、と例の独特な引き笑いをしながら、王子はジャケットを羽織ってネクタイをギュッと締め直した。
もっと嫌味なお坊ちゃんかと思ってたけど、意外とそうでもなかったし、むしろかなりの好印象だ。
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