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そんな王子に見惚れていると、
ブーーーンと虫の羽の嫌な音が耳の近くでして、思わず叫んでしまった。
JN「う、うわぁぁぁぁビックリした…、!!
誰かいるなら早く言ってよ…」
どうやら王子のことも驚かせてしまったようだ。
私のことを視界に捉えた王子は、あっと驚いたような顔をして私に近づいてきた。
JN「ヤー!誰かと思ったらAさんじゃないか!」
『おはようございます、昨日は失礼しました』
そう一言告げて、私は百貨店の紙袋を差し出した。
王子はこれが何だか分からなかったのか、不思議そうに首を傾げた。
『私の家でできる最大限の洗濯をしました!これ以上は無理です!
もし匂いがダメとかあれば申し訳ないです…』
JN「あ、ハンカチね!
もう返してくれるんだ、早いね!ありがとう!」
嬉しそうにその紙袋を受け取り、中からハンカチを取り出した王子。
よほどのお気に入りのハンカチなのか、
それともRJがそれほど大好きなのか、
とても幸せそうだった。
『お詫びのお菓子とかも付けないなんて恩を仇で返しやがって、とか思ったかもしれないですけど、どうか許してください、それがウチの限界です…』
金持ちたちの世界での常識がどうかなんて、庶民の私は知るわけもないからとりあえず謝った。
やっぱ高級洋菓子でも付けといた方が良かったのかな…
『あと…その紙袋、実はRJとコラボしてるんですよ』
でも、どうせそういう高級洋菓子なんて、この人たちは食べ慣れてるだろう。
だから私はとっておきの秘策を準備したのだ。
それがこの、某百貨店で数量限定配られた、コラボ紙袋だ。
予想通り、え!?と目をキラキラ輝かせて紙袋を見る王子。
うん、王子もやっぱりRJ大好きなんだね!!!!!!!!!RJかわいいよね!!
『だからそれで許してください…』
JN「って、ぼ、僕がこんなの好きなわけないじゃないか!!」
『あ、じゃあその紙袋を回収させてもらっても良いですか?』
JN「やっ、やっ、ヤー!!!!!
は、ハンカチ入れる袋がなくなるだろー!!!」
好きじゃないと言いながらも、ハンカチを入れて大事そうに紙袋を抱えている王子。
やっぱ大好きじゃん。
素直じゃないなぁ笑
顔真っ赤ですよ〜
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