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「君…初めて見る顔だね」
『…』
確かにジミンの言っていた通り、高身長でスラーっとしている。
その王子とやらは、不思議そうに私の顔を覗き込んできた。
周りのファンたちも静かにその動向を見守っている。
そして王子とやらは、目の前でふわっと優しい笑顔で笑った。
周りに花でも咲いているかのような、そんな笑顔だった。
うん、確かにイケメン。
認めてやる。←
JN「僕はキムソクジン。
知っておいた方が君のためだよ」
話し方にもどこか品があるし、なんせめちゃくちゃいい匂いがする。
JN「君、名前は?」
『…チョンAです』
JN「ヤー、チョンAね、覚えた!
僕は、かわいいファンのみんなの名前は覚えておきたいからね♡」
そう言って何故か周りのファンに向かって投げキスをしたキムソクジン。
たちまち巻き起こる黄色い歓声。
…え??
この人ってそういう系なの????
なんかイメージと違うんだが。
『名前覚えてくれるのはありがたいですけど…
私、あなたのファンになったなんていつ言いました?』
JN「…えっ?」
『え?』
JM「ち、ちょ、A!!!」
JN「君は…何を言っているのか、なっ、??」
『…あなたこそ何を?』
JN「あっ、あぃむ、わーるどわいどはんさむ、!…ゆ、ゆーのう…、??」
ん??この人は一体何を言ってるんだ??
勘違いも甚だしい。
『ごめんなさい、知りません』
JM「Aさんっ!もうそのくらいにしとこ、!ね、っ??」
JN「う、嘘だ…」
自分のことを知らないのがかなりショックだったのか、先程の笑顔もキラキラオーラも全て消え去り、真っ青な表情と絶望のオーラだけが残っていた。
JN「こ、この僕を知らない人が…いるなんて…っ、!」
私を見て怯えるかのように後退りをしながらそう呟いた途端、全身から力が抜け、イケメン王子は気を失ってその場に倒れてしまった。
いや、厳密に言うと、崩れ落ちた瞬間に、
どこからともなく風のようにやってきた男によってこのお坊ちゃんは抱き抱えられていた。
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