How You Dare？【JN】 (ページ2)

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「あっ、そ、それぼくの財布！」

後ろを振り向くと、歓声を上げる見物客をかき分け、さっきの黒縁眼鏡の男の子がちょこちょこと私の元へと慌ててやってきた。

「あ、ありがとうございますっ！！！」

『いえ、たまたま見てたんで』

めちゃくちゃ高そうなブランドものの財布を渡せば、その男の子は両手でそれを受け取り、深く頭を下げてきた。

顔の年齢とその革財布が全く釣り合っていないなと思ったが、その制服を見れば理由はすぐにわかった。

なんせその男の子が着ていたのは、韓国の超超金持ちしか通うことのできない高校の、えんじ色のジャケットだった。

「本当にありがとうございます！！助かりました！！」

糸目が特徴的な人の良さそうな笑顔でそう言うお坊ちゃん。

そして、隣にいた連れの男の子にも感謝された。

「ジミナ良かったね！」

「うん！」

えんじ色のジャケットではなく、普通のブレザーを着ていたその連れの男の子も男の子で、
スラーっとしていて、マスクをしていてもわかるほどめちゃくちゃイケメンだった。

そして私たちのそんなやり取りを見て安心したのか、見物客はいなくなっていた。

「もーーー！A、なにやってんの！！」

『あ、ごめん、笑』

置いていかれて(私が置いてったんだけどね)怒ってる友達がタピオカを抱えながら遅れてやってきた。

「Aさん、本当にありがとうございました！！」

『いえ、！』

誰かが警察を呼んでくれたのか、おっさんは連行されていき、私たちもお互い笑顔で別れた。

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まさかこの出来事が私の人生を変えるとも知らず、

私はまた呑気にタピオカを飲みながら歩いていた。