この手は離せない 2 (ページ8)

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Riot OB side

HC｢ﾐﾝｿｸもﾊﾞｶじゃねぇんだ。Aに何があったかわかってんだろ？｣

YN｢そう、わかってる。
いや、最初はわからなくてAの話に大反対してたんだけど
どこか違和感を感じてﾀｵに調べさせたらしい。｣

CM｢ﾀｵならすぐ判ったでしょうね。なんせﾎﾞｸが直々に教え込んだんですから。｣
ﾕﾉは黙って頷いた。

KI｢…で誰だ、その女。｣

YN｢…Aがﾕﾘｵﾝﾆって慕ってた女。
ﾐﾝｿｸが一瞬離れた隙を狙って接触したらしい。｣

ｵﾏｴのせいでﾐﾝｿｸもﾁｰﾑも迷惑してる…
独りじゃ何も出来ない癖に…
ﾐﾝｿｸがいなければ誰もｵﾏｴを相手にしない…
他にもいろいろ言われたみたい。
Aは信頼してたらしいから相当ｼｮｯｸだったと思うよ…

ﾋﾁｮﾙとｶﾝｲﾝはｲﾗｲﾗしながら煙草に火をつけた。

YN｢……まぁ正直、ここまでは想定内なんだけどさ…｣
とﾕﾉは躊躇いがちに続けた。

あともう1つ……

……ﾐﾝｿｸと寝たって言ったって…

最後の話に全員が固まった。

KI｢……ﾐﾝｿｸがAを離したってことは、本当にﾔったってことか。｣

………そう。

ﾕﾉの答えに全員がため息をついて天を仰いだ。

HC｢ﾐﾝｿｸもﾐﾝｿｸだけど無防備にそんな女近付けやがって、幹部連中は何やってんだ！ったく！｣

ﾋﾁｮﾙは手近にあったｸｯｼｮﾝを壁に投げ付けた。

CM「その女純粋にﾐﾝｿｸを狙ってたんでしょうか？
…ひょっとして他のﾁｰﾑの息がかかってるんじゃないですか？」

YN「ﾀｵも同じこと言って調べてる。場合に寄っては力を借りるかも…って。」

CM｢やっぱり。まぁﾀｵが動いてるならわかるのも時間の問題でしょう。
…それよりその女、今は？｣

YN｢Aを心配してるﾌﾘしてﾐﾝｿｸの周りをｳﾛﾁｮﾛしてるらしい。
ﾐﾝｿｸは何も知らないﾌﾘして接してるって。
…ﾔったのも泥酔して起きたら隣に寝てたらしくて、本人記憶にないってさ。｣

KI｢ﾁｯ、判りやすいのに引っ掛かりやがって。
どのみちAを傷つけた以上、その女ﾀﾀﾞじゃすませねぇぞ。｣

HC｢当然。その前に問題はAだ…
今は強がってるけど、これ以上独りにしておいたら壊れるぞ、ｱｲﾂ。｣

YN｢そうなんだ…ずっと無理してて。
一緒に暮らそうって何度も言ったけど、迷惑かけるから嫌だって。
結局、学校にも通ってない。｣

KI｢…どうにかしないとな。｣
ため息と共に煙を吐き出した。