検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:100,590 hit

そんな顔しないで夏油くん ページ15

_





「花奈…?」


「はっ?え?げ、夏油くん…」




そこに居たのは呪霊でもなく幽霊でなく、夏油くんだった。だけど今、何よりも会いたくない人だ。




「や、朝ぶりかな」


「あぁ…こんばんは〜…」




動け!動けよ表情筋!!精一杯笑ってもガチガチの苦笑いにしかならないじゃないか!!





「何かあったの?目が腫れている」




ごくり、思わず空気を飲む。なんだよこの緊張感。なんだよこの気持ち。

出処が分からない緊張と会いたくなかったという気持ち、それに少しだけ会えて嬉しいと言う感情。



この感情を向ける相手と会って再確認する。やっぱり私は夏油くんのことが好きだ。




でも、諦めなくてはならない




「いや、なんでもないよ。ごめんね夏油くん、私眠いから帰るね」




控えめに手を振る。もう飲み物とかどうだっていいや。




「なんだか君らしくない、どうして?」



「夏油くんには関係ないよ」



「気負わずに話してくれよ。Aが元気でないと私も心配だ」




君のせいで私がこんなふうになってるなんて言えるわけが無い。言う必要も無い。




「ごめん」


「っ…待ってくれ」



後ろを向いて歩き出そうとした私の腕をグイッと夏油くんが掴む。なんでよ、どうしてそんなに引き止めたいの?




「A…!」




眉を下げて心配そうな顔をしてこちらを見る夏油くんを見ると、なんだかこちらが悪いことをしているような気がしてくる。



腕を振り払って逃げることも出来る。だけどそんなことをしたらもっと心配される。そうして事が大きくなって…。



そんなことになってしまうなら、もういっその事言ってしまおうか。






黒ずんだ電灯がちかちかと光る。夏油くんの顔が照らされる。


薙ぎ払えない緊張感を隠すために呼吸を整える。

言えば終わる、言いさえすれば…







覚悟を決めた私はゆっくりと口を開いた。

好きだよ夏油くん→←今会いたくないよ夏油くん



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (303 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
734人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 呪術 , 夏油傑
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あいすくりぃむとちょこれぃと - えっちだ… (2021年12月30日 0時) (レス) @page21 id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - 感動物語やあぁ………………………………… (2021年7月31日 8時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
――――― - 更新待っています! (2021年4月3日 20時) (レス) id: 5dc69588e6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - さつきさん» たった今更新しました!更新頑張ります! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 4fa03405f9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 天さん» ありがとうございます…!サボっててすみません… (2021年3月18日 18時) (レス) id: 4fa03405f9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年3月7日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。