22周目 ページ22
.
.
こんな気持ち久しぶりなことに今さら気づく。
彼氏がいるのにこんなことして胸を甘くさせてるなんていけないことだと思う。
でもささくれ立って自分で自分を傷つけていた気持ちが落ち着いてくる
反面、先生の腕の中で細くなってしまっていた自分の心が重い罪悪感に引っ張られる。
先生の鼓動はずっと一定のリズムを刻んでいて
その鼓動に重なって雨音が聞こえ始めていた。
外で激しく降り始めた雨の気配が部屋の中にも漂ってきている。
先生の手が頬を撫でる
優しく触れられて
その手に項を後ろから支えられた。
部屋は暗いのに先生は温度が感じられるほど近い距離にいるから
下りた前髪の間から少しの光を捕らえてきらきらと反射させている
その瞳が私を見つめているのが見えて、思考が止まった。
二宮「A」
先生の少しかすれた声が私の名前を甘く形作る
少し傾けた顔
先生の白い頬に窓に打ちつける雨の影が映ってる。
先生が私の視線を捕まえたままふふって小さく笑んで。
二宮「(笑)、目開けたまま？」
柔らかい
先生の薄い唇がそっと重なる
それはほんとに一瞬
そしてほんとに軽くて
二宮「…そんな顔すんな」
先生が眉をひそめて
苦しそうに呟く
「せ…っんせい…、私、彼が……」
目の奥も、喉の奥も熱い
二宮「お前は忘れてもいいよ。
これは『雨障り』だから。
……雨のせいで一時心が乱されただけだから」
重なる唇
下唇を食べられるみたいに挟まれる
柔らかい舌が唇を、咥内を滑っていく
息が上がって
涙が頬を流れてく
二宮「こんなしょっぱいキスしたことねーわ」
涙が口に流れ込む
それをなめるように先生の舌が頬を這って
また唇に重なる
その感触に
その感情に揺さぶられて
ぎゅっと先生のシャツにしがみついた
先生の腕が私の腰を引き寄せてまた抱きしめられる。
二宮「Aは忘れて、
雨と一緒に流しな。
俺だけが覚えてればいいから」
激しい雨と同じように涙が止まらなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
グクとともに(プロフ) - 今更感なんですけど感想をさせていただきます。悲劇のヒロインかよっとムカつきながら見てました。あと浮気彼氏と別れてから告白せぇよ！っとまたここでも主人公ちゃんにむかっ！としながら見てましたでも付き合えてよかったです (9月2日 0時) (
レス) @page26 id: 53881abcf1 (このIDを非表示/違反報告)
雪月(プロフ) - 梨沙さん» 梨沙さん！（爆笑）もーー！ナイスBBAコメントありがとうございました。私も霞む目を騙し騙し書いております。来年も書けるかなぁという不安はありますがとりあえずもう少し頑張ります。 (2015年6月21日 16時) (レス) id: 7b17d49fcd (このIDを非表示/違反報告)
雪月(プロフ) - 咲さん» 咲さん、コメありがとうございました。そーなんですfun runは後からおまけで付け足しました(笑)何となく甘いものを書きたくなったので( ´艸｀)お楽しみ頂けてるとほっとします。良かったらまた遊びにいらして下さいませ (2015年6月21日 16時) (レス) id: 7b17d49fcd (このIDを非表示/違反報告)
雪月(プロフ) - kukuさん» kukuさん初めまして、でもお名前だけは拝見してました(笑)もちろんタメ口でどーぞです。大人ランチは味覚がお子さまな二宮さんのためにという私の母心です、彼女心でもある？(笑) (2015年6月21日 16時) (レス) id: 7b17d49fcd (このIDを非表示/違反報告)
雪月(プロフ) - a-yunさん» こんな可愛いオンナノコいないよ…と思いつつ夢小説だしなにせあの二宮さんが恋に落ちる人だから素敵な人をってことであんな感じになってるんですよー。こんな感じですがまた遊びにいらして下さいませ (2015年6月21日 15時) (レス) id: 7b17d49fcd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪月
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=verbena
作成日時：2015年6月12日 1時
