噂のあの子。６

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随分弾いてなくても
体は覚えてるもんなんだなぁ









弾き始めてしまえば
スムーズに指は動いてくれる









知ってる曲だから尚更だけど
まだまだ出来てる自分に拍手を送りたい









CY『おおおおお！！』





『うるさいなぁ(笑)』









子供みたいに目をキラキラさせて
パチパチと手を叩くチャニョル









なんでも出来るじゃーん、なんて
オーバーに私を褒める









『そんなことよりなんでこの曲』





CY『ボーナストラックだよ』





『なにそれ(笑)』









どや顔でそういうけど
ちょっと意味がわからない









CY『アルバムの最後にタイトル曲のピアノバージョンを入れることになったんだ。初めはね、それでAにソロで歌ってもらうつもりだったけどごめん、変更(笑)』









変更も何もピアノバージョンなんて
まず聞いてないしね？









CY『弾き語りみたいにしようか、(苦笑)』









私の様子に気づいたのか
チャニョルの笑顔が少しひきつってる









『無理』









歌うので精一杯なのに
弾き語りなんて私にそんなスペックない









CY『やってみてよ！やって駄目なら考えるし！俺が提案したことだから』






『そんなこと言われても…』









タイトル曲はチャニョルが作曲したもの、
だから今日はここに来てたんだね









ピアノバージョンにしたら
テンポも何も変わるし









ソロで歌うとなると
他にも変更点が出てくる









おそらく多才な彼でも
あのスケジュールの中で練り直すのは
大変だったんだろうな









よく作業室にこもってたし









私の前で両手を合わせて
頭を下げる姿を見たら断れない









『やって駄目なら諦めてね』





CY『さすがA！！(笑)』









なんか照れくさくて
そんな返事しか出来ないけど
チャニョルはキラキラの笑顔向けた









ただ１つ言いたいのは









『いつも知らないとこで話を進めるのはやめて』






CY『気を付けます(笑)』









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