【鋼の錬金術師】三兄弟の錬金術師 Ⅲ (ページ17)

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＿＿＿終業のベルが辺りに鳴り響く。

クラスメート達がそれぞれの帰路に着く中、エドとAとアル、ウィンリィも同様に家路を辿っていた。四人で帰路を進んでいる中、ピンク色のワンピースをひらりと振りながら、ウィンリィはエドとアルに近づく。

「ねー、最近何を一生懸命勉強してるの？」

『あ、それ私も気になってた。授業中もそれが原因で先生に怒られてたよね』

ギクッ、とエドとアルの肩が同時に跳ねる。Aに人体錬成の件がバレることは、計画が無に帰すことど同義だ。妹に隠し事をするのは心苦しいが、今回ばかりは誤魔化す他ない。

「ひ、秘密！」

「Aとウィンリィには関係ねーよ」

「なにそれ！私はともかくAにも秘密ってどういうことなの？」

『そーだそーだ！』

「へへー…じゃあ先ボク達帰ってるから」

二人の不満そうな野次を背に、なんとかその場を乗り切ったエドとアルは、逃げるように走り去った。
Aとウィンリィが見えなくなった距離まで来たエドとアルは、改めて作戦を練り直し始める。

「うーん…教室に姉さんがいる分、やっぱり学校で勉強するのはよくないんじゃないかな」

「…そうだな」

少し上がった息を整えながら、二人は今回の出来事を振り返る。学校は周りのクラスメートの目もあるため、いつどこから情報が洩れてAの耳に入るか分からない。なら、あとはやはり家で勉強するしかないだろう。
不幸なのか幸いなのか、最近Aとエドとアルは別々の部屋で寝ている。おそらくトリシャの真似事だろう。少し寂しい思いはあるが、狙うなら夜の時間くらいしかない。

「それにしても…何が足りないんだろうね、人体錬成」

「そもそもなんで人体錬成は法律で禁止されてるんだ？」

「成功した人がいない危険な錬成だからじゃない？ほら、一夜で国が滅んだっていう…」

「東の砂漠の賢者の話か？」

「そうそれ。完全な人間を造ろうとして国民が巻き込まれてさ」

「あんなのただのおとぎ話だろ」

＿＿＿夜も更けた布団の中、昼間に話し合っていた二人の話題は、ランプ一つで灯されている暗い部屋の中で続行されている。

「じゃあさ、あれは？錬成中にハエが入り込んでハエ人間になっちゃったってやつ」

「そりゃこの前見た映画の話だ…」

突拍子もない事例の話に代わり、エドはため息を吐きながら天井を見上げた。

「…大人はきっと自分たちが出来ないからって禁止してるんだ。死んだ人が生き返ればみんな嬉しいに決まってるのに」