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「東部の？ほほう、どうりで珍しい型だと思った」
「あの」
「なるほどここにシリンダーを」
「おい」
「え？左足も機械鎧？」
「おーい」
「見せろ見せろ！！」
「足出せ！」
「面倒くせぇな、ズボン脱げや小僧！！」
あ、あぁ〜〜……兄さんの服がひっぺがされていく…
悲鳴を上げながらみるみるうちに裸体になっていくエドを、私は微妙な気持ちで遠目から傍観する事しか出来なかった。
少しすると、技師達は満足したのか散り散りにどこかへ行ってしまった。観察するだけして飽きたらそのまま帰るとは……
「さっすが聖地と呼ばれる街ね！みんな研究熱心だわ！」
「だからってなんでオレが公衆の面前でパンツ一丁にされなきゃなんねーんだよ！！！」
うんうんと頷き感心するウィンリィに、エドは今にも飛び掛りそうな勢いで憤りを見せる。そんなエドとは対照的にアルは心底可笑しそうに笑った。
「あっはっは、大通りでパンツ一丁になった国家錬金術師なんてそうそういないよ兄さん！」
「ああそうですねフンドシ一丁のアルフォンス君！」
『……はぁ』
民衆の前で兄弟の痴態を晒してしまった恥ずかしさからなのか、私は思わず額に手を当てた。私は心に誓う。エドの名誉の為にも早くこの街から出よう、と―――
「―――無い…」
そんな事を頭の片隅で考えている時だった。突然エドがズボンのポケットを漁り始めたかと思うと、真っ青な顔でそう呟いたのだ。
尋常ではない兄の様子が気になりどうしたのかと聞くと、引き攣った笑みでエドはこう答える。
「国家錬金術師の証……銀時計が無い……！！！」
『……はああああああああああ！！？』
***
「やられたな兄ちゃん」
「そりゃきっとパニーニャだね」
エドに集っていた機械鎧技師に犯人がいるのではないかと考えた私達は、早速聞き込みを始めていた。すると、ある機械鎧技師の男が心当たりがあると言い始めたので話を聞くと、犯人は観光客をカモにしているスリだと言う。
機械鎧技師でも何でもないただのスリ……本当にそうだとしたら居場所なんか分かったもんじゃない。私は頭を抱えた。
「そいつがどこにいるか知らないかな、たのむよ！大事な物なんだ！」
「そうさのう…」
「教えてやってもいいがそのかわり…」
「「兄ちゃんの機械鎧、じっくり見せて♡」」
瞬間、痺れを切らしたエドが機械鎧を刃物に変え技師達へそれを突きつけた。
「西通りの裏路地！」
「グロッツってあやしい古物商！！」
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作者名：はちまき | 作成日時：2022年2月20日 1時
