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「表にいるお前らの仲間は今ごろ私の連れが始末しているはずだ。助けに来る事はできんだろう」
「…………よう、その連れって強いのか？」
息を荒く吐きながらエドは膝に手を着いた。
「強いぞ。私よりは弱いがな」
「―――あっはっは！！だったら心配いらねーや」
ゆっくりと立ち上がったエドと共に、私は額を流れる血を乱暴に拭った。
「オレ昔っからあいつとケンカして勝った事無いんだ」
「―――ほう、まあたとえお前の仲間が私の連れを倒しここに向かっていたとしても、この建物は複雑な造りになっている。ここまで辿り着くのにかなりの時間を費やすだろうよ」
「……それはどうかな」
にっ、とエドは不敵な笑みを浮かべる。……これは、何か企んでる顔だな。エドは一瞬私の方をチラッと見ると、口を大きく開いて叫んだ。
「アル！！今だ！！」
「！いつの間…………に？！」
―――なるほど、ハッタリか。
まんまと作戦に引っ掛かった48を、エドは見逃さなかった。反応が遅くなった48の頭部を、エドは機械鎧の右腕で弾き飛ばす。
「うぬ………卑怯な………」
「ケンカに卑怯もくそもあるか」
ガシャンと音を立てながら、48の身体が地面へ叩きつけられた。頭部は身体とは離れた場所に転がっている。
「どうした、まだ私の血印は壊されていないぞ。さっさと破壊し…あ」
48の言葉を遮るようにエドは48の頭部を持ち上げる。魂が頭にあるのなら胴体はただの鉄の塊だろう。
エドは48に話があるそうだし、私は一応胴体が持ってる刀でも没収しておくか。保険はいくらかけてもいいからな。
まだ少し痛む脇腹を押さえながら、よろよろと胴体へ近付く。
………？今一瞬、指先が動いたような…
ドッ
『え、』
***
「まだ負けてなどおらん」
48から賢者の石についての情報を絞り取ろうと尋問していた時だ。俺が負け犬、と罵るとヤツは「負けていない」と言った。
何を言っている？血印がある頭部は既に俺の手の中だぞ？
すると次の瞬間、後ろからガシャンと聞き覚えのある金属音と、人が倒れ込むような鈍い音が聞こえた。恐る恐る振り向くと―――
「………！！」
脇腹を灼熱感が襲う。
血が吹き出す脇腹を咄嗟に抑えて、俺の腹を掠めたソレを見つめた。
「バカな！！」
胴体が動いている…？！
胴体はこちらへ刀を向けてスタスタと寄ってくる。
―――待て、金属音がこの胴体だとしたらもう1つ聞こえたあの鈍い音はなんだ？
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作者名：はちまき | 作成日時：2022年2月20日 1時
