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「明日朝イチの汽車で中央に行くよ」
「そうかい、またこも静かになるねぇ」
「へへっ、元の身体に戻ったらばっちゃんもウィンリィも用無しだな！」
エドの軽口に翻弄されている2人を見ながら私は静かに微笑んだ。賑やかなこの食卓が今日でしばらくおさらばになると考えると、どことなく寂しさを感じる。
私は近くで一緒に食事をしていたデンの頭を撫でながらシチューを喉へ流した。
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「あーあ、またお腹出して寝てるよ。しょうがないな」
「まるっきり“これ”の保護者だねアルは」
『確かに〜』
「姉さん人の事言えないからね」
ソファーで寝こけているエドに憤慨しているアルに図星を突かれ、思わず『うっ』と声を漏らす。
爆睡しているエドを見るに、久しぶりに体を動かしたこともあって疲れてしまったのだろう。
「ほんとにもー、手間のかかる兄と姉を持つと苦労するよ」
「これじゃあどっちが兄貴だかわかんないね」
呆れた様子のアルに、ウィンリィは笑いながらエドに毛布をかけた。
「おまえ達いくつになった？」
「ボクと姉さんが14で兄さんが15」
「あはは、あたしと同い年でこんなちっこいくせに“人間兵器”だなんて笑っちゃうよね。無防備に寝ちゃってさ」
可笑しそうに、しかしどこか心配そうな雰囲気を漂わせながらウィンリィは寝ているエドに笑いかける。
するとアルが急に何かを思い出したように鎧を鳴らした。
「いやぁ、“お腹出して寝て”って言えばユースウェル炭鉱に言った時の事思い出しちゃって」
『＿＿＿＿ああ、そこの人達が上からの締めつけで困ってて兄さんに助けを求めたけど兄さん当人は助ける気がさらさらなかったヤツか！』
「そうそう、だけどそこの親方の“炭鉱が俺達の家で棺桶なんだ”って言葉を聞いて結局助けちゃったんだよね…かなり無茶しちゃってさ」
その話を聞いたピナコばっちゃんは、「かっかっか」という特徴的な笑いで反応を返した。
「そうかい“俺たちの家”かい！＿＿＿＿そうだね…帰る家の大切さや無くなるつらさはおまえ達は身に染みてるもんねぇ」
タバコをくわえ直し、ピナコばっちゃんはそう言った。私とアルは肯定の意を込めてコクンと頷く。
『うん、だからいつも本当の家族みたいに迎えてくれるばっちゃんとウィンリィには本当に感謝してる』
「口に出さないけど兄さんもね」
『ね』
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作者名：はちまき | 作成日時：2022年2月20日 1時
