【鋼の錬金術師】三兄弟の錬金術師 (ページ41)

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病室に無理やり連れ戻され、嵐のようなその軍人は目にも止まらぬ早さで医者を呼びに行った。
なんだったんだ…

「あー……で、怪我してるのにこんな話するのはアレなんだけどさ」

『何？』

「実はー…さ、オレの機械鎧今こんなだからアルの鎧も直せないんだ。だからさ、ウィンリィのとこに行ってこようかなと思って」

『ウィンリィのところに？私も一緒に行っていい？』

「そう言うと思って知らせに来たんだよ。まーあいつもおまえに会いたいだろうし…まずは医者と相談だな」

『……そっか』

そうしてしばらくすると、軍人が医者を連れて病室に飛び込んできた。
ろくな説明もされずに連れてこられたであろう医者は、酷く混乱している様子だったが意識を取り戻している私を見て察してくれたのだろう。

エドは医者に、私を外に連れ出したいという趣旨の相談をすると、医者は丁寧に私の怪我の状態を説明し始めた。

「頭の怪我は差程酷くはありません。皮膚も表面が剥がれただけで深くはありませんが何せ範囲が範囲なので傷跡が残る可能性が高い。なので右腕を酷使する事はオススメしません＿＿＿＿まあつまり、大人しくするならば外出しても大丈夫という事です」

医者はにっこりと微笑んだ。
その言葉に私とエドは顔を見合わせて喜ぶ。医者の後ろにいる軍人も嬉しそうに頷いていた。

「あ、そう言えば紹介が遅れたな。この人はアームストロング少佐……オレ達の護衛だ。頼んでないけどな」

「よろしくたのむ」

エドは嫌そうな表情をわずかにうかべながら少佐を紹介した。守られることをあまり好かない兄だ、こうなった過程も容易に想像できる。

「あー…出発は明日だからさ、それまでゆっくり休んでろよ！迎えに来るから」

病室を出る前、エドは指をピシッと差しながら言う。私は『わかったわかった』と笑って手を振ると、エドは八の字に眉を下げ「じゃあな」と立ち去った。

＿＿＿＿ひとり静かになった病室で、私は窓の外を眺めた。

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『あー……兄さん？』

「……なんだ」

少し不機嫌そうなエドの声が返ってきた。
今私は迎えに来た少佐に連れられて汽車に乗っている。目の前には3人座れる座席を2人分の巨体で潰している少佐と、窮屈そうな兄の姿があった。

『アルは？』

「アルは鎧があんなだからな。オレ達とは別の車両に……言い方はあれだが荷物が乗ってる車両にいる」

『えぇ……』