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「ボクは弟のアルフォンス・エルリックでーす」
『私は妹のA・エルリックです』
「オレが！“鋼の錬金術師”！！エドワード・エルリック！！！」
兄は特にふたつ名を強調しながら改めて自己紹介を始めた。顔は相変わらず険しいままだ。
「し…失礼しました…」
民衆は少し怯えた表情で謝罪の言葉を述べる。
そんな騒がしい空気の中、一人分の軽い足音がこちらに迫ってきていることに気が付いた。
「こんにちはおじさん。あら、今日はなんだかにぎやかね」
店主はその声の主の方向へ顔を向けると、人の良さそうな笑みを浮かべて「いらっしゃい、ロゼ」と少女を迎えた。
店へ来たのは長髪の可愛らしい少女、店主はロゼと読んでいる女の子だった。
「今日も教会に？」
「ええ、お供えものを。いつものおねがい」
ロゼは店主と慣れたような会話を交わすと、こちらに気が付いたらしく可憐な笑みで話しかけてきた。
「あら、見慣れない方が…」
「錬金術師さんだとよ。さがし物してるそうだ」
ロゼが買った商品を袋に詰め終えながら店主は説明をする。詰め終えると、ロゼにそれを手渡した。
「さがし物見つかるといいですね。レト神の御加護がありますように！」
そう言って笑うと、ロゼは早足で店を立ち去った。
店主や他の客がロゼの背中を見ながら語り出す。
「ロゼもすっかり明るくなったなぁ」
「ああ、これも教主様のおかげだ」
エドはその話に少し興味を持ったのか、「へぇ？」と客の人に目をやる。
「あの子ね、身よりも無い一人者の上に去年恋人まで事故で亡くしちまってさ…」
「あん時の落ち込み様といったらかわいそうで見てられなかったよ」
「そこを救ったのが創造主たる太陽神レトの代理人、コーネロ教主の教えだ！」
「生きる者には不滅の魂を、死せる者には復活を与えてくださる。その証拠が“奇跡の業さ」
「お兄さんも1回見に行くといいよ！ありゃまさに神の力だね！」
客達や店主の話に、エドはふっとため息をついた。
「“死せる者には復活を”ねぇ…うさん臭ェな」
『んー…でもさ兄さん、ちと見に行くくらいは価値あんじゃない？私もすこーしだけ気になるし』
「…ま、そうだな。なんか手がかりあるかもだし」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
店主から教えて貰い、例の教会の中へ足を踏み入れた。
一見ただの教会。何の変哲もない普通の教会だ。
そうして中を探索していると、聞き覚えのある声が聞こえた。
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作者名：はちまき | 作成日時：2022年2月10日 12時
