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「見てくれ。完成品だ」


スっと立ち上がったタッカー氏の後ろには犬____否、長い髪を持つ犬のような合成獣がちょんと座っていた。


「見ててごらん。いいかい?この人はエドワード」

「____えど、わーど?」

「そうだ、よくできたね」

「よく、でき、た?」


拙い言葉を喋る合成獣をタッカー氏が優しく撫でると、嬉しそうに合成獣は尻尾を振った。
エドはそんなタッカー氏と合成獣の様子を見て心底驚いた様子でじっと見ている。


「信じらんねー、本当に喋ってる…」

「あー査定にまにあってよかった。これで首がつながった。また当分研究費用の心配はしなくてすむよ」


安心した様子で首をかきながら話すタッカー氏を他所に、エドは興味津々といった様子で合成獣を観察している。
……しかし、まだ私の違和感は払拭されていなかった。なぜこの合成獣とタッカー氏にこんなに違和感を感じるのか自分でも分からない。


「…姉さん、大丈夫?顔色悪いよ」

『ああ、うん……大丈夫だよアル』


どうやら私の顔色はアルにも分かるほど悪くなっていた様だった。顔色が一向に良くならない私を心配してか、弟に背中をさすられる始末だ。

ちらりと合成獣の方向を見ると、それはまだエドの名前を繰り返し口にしている様子だった。


「えど、わーど、えどわーど















お、にい、ちゃ」
















_______肺の中の空気が一瞬で無くなったように感じた。


















「____タッカーさん。人語を理解する合成獣の研究が認められて資格とったのいつだっけ?」

「ええと…2年前だね」

「奥さんがいなくなったのは?」

「…………………2年前だね」

「もひとつ質問いいかな















ニーナとアレキサンダーどこに行った?」





「…………君のような勘のいいガキは嫌いだよ」

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作者名:はちまき | 作成日時:2022年2月10日 12時

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