【鋼の錬金術師】三兄弟の錬金術師 (ページ27)

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「相変わらず地獄耳だな」

「君の行動がハデなだけだろう」

大佐の言葉にうんうんと頷くアル。私も頷いているアルの気持ちに共感していると、突然列車の方向から駅中に響くような悲鳴が発せられた。

見ると、犯行グループを連行していた軍人のうち二名が血を流して倒れているのが目に入った。
＿＿＿その二人の間に立っているのはあの犯行グループのリーダー。
血走った目で私達を睨み付けながら機械鎧に取り付けられた刃物を向ける男は、今にもこちらに飛び掛からんとする形相をしていた。

そんな様子を、エドは「またかよ」と言うドン引きしたような、呆れたような表情をして見ている。
すると、大佐の隣についていたホークアイ中尉が銃を構えた。

「大佐、お下がりくだ…「“これ”でいい」

大佐は中尉にそう言うと、雄叫びを上げながらこちらに突進してくる男の前へ立ち塞がった。
そして、錬成陣の描かれた手袋をきゅっと整え指先を相手へ向ける。

＿＿＿＿パチン、と指を弾く音が鳴った。
瞬間、熱風が全身に降り注いだ。
思わず『熱っ』と呻いてしまったが、熱源を食らった男はその比じゃないらしい。

「があああああああああッ！！！」

と、男は大きな悲鳴を上げながら、少し焦げた身体を地面へ転がした。焦げた身体を軍人に取り押さえられながら男は大佐を睨み付ける。

「ド畜生め…てめえ何者だ！！」

「ロイ・マスタング。地位は大佐だ。そしてもうひとつ＿＿＿＿

“焔の錬金術師”だ。覚えておきたまえ」

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