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エドは機関室の窓へ弾丸を放り込むと、中にいる二人の見張りの男たちが注意を逸らした隙を着いて、一気に攻撃を叩き込み始めた。エドは拳銃を持っていた方の男に鋭い蹴りを入れ、壁に頭を叩きつける。
私もそれに便乗し、もう1人の長銃の男に飛び蹴りを食らわせた。立てたいように足の間接を外し、ついでに乗り合わせていた運転手のおっちゃん達にシャベルで気絶させて貰う。これで暫く起きることもないだろう。
「なんか手伝うことあるかー?」
『「安全運転でよろしく!」』
機関室は無事奪還に成功したので次の車両へ行くために私たちは屋根に飛び乗ろうとした____が、車両の上には私達の刺客が乗っていた。
銃を片手に狙いを定めるその男は容赦なく発砲してくる。
『うへぁッ』
発砲音に驚きエドと共にひっくり返りながらも、私は反射的になんとか壁を錬成。対してエドは巨大な大砲を錬成し、刺客へ向けて一発撃っていた。
「あっぶねーな!妹に当たったらどうすんだこの野郎!!」
「こりゃあ!!汽車の命の炭水車になんて事を!!」
『わ!すいません!』
「(炭水車…?)」
ゴンゴン、と音がした方向に視線を移すと、何やら考え事をしながら炭水車の壁を叩いているエドの姿があった。何をしているのかと聞いてみると、その顔にはあの悪どい笑顔が張り付いている。
『…もしかして、まあた変な事考えてるでしょ』
「変な事とはなんだ変な事とは!」
エドは心底心外だという態度を見せながら炭水車へ向き直った。パンッと掌を合わせ錬成したのは車両へと繋がっている大きな蛇口のようなもの。これをどう使うつもり_____
『あっ』
「おお、やっと気付いたか____そんじゃ、いっちょやるか」
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壁に取り付けた拡声器に向かってエドは喋り出した。
〘あ__あ__犯行グループのみなさん〙
エドは心底愉快そうに喋る。
〘機関室および後部車両は我々が奪還いたしました。残るはこの車両のみとなっております〙
〘おとなしく人質を解放し投獄するならよし。さもなくば強制排除させていただきますが…〙
エドが珍しく与えた最後の慈悲。
拡声器から返ってきた犯行グループの応えは______
「ふざけやがって…何者か知らんが人質がいる限り我々の敗北は無い!!」
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作者名:はちまき | 作成日時:2022年2月10日 12時